2004 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアの前期〜中期古生代珪質微化石生層序帯の構築と古生代地質体の起源
Project/Area Number |
03J02087
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
栗原 敏之 新潟大学, 理学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | オルドビス紀 / シルル紀 / デボン紀 / 黒瀬川帯 / 南部上帯 / 飛騨外縁帯 / 放散虫生層序 / 東アジア |
Research Abstract |
本研究は日本列島の古生代構造帯およびこれらと地質学的に連続する東アジアの地質体を対象として,(1)オルドビス紀〜デボン紀の放散虫を主とする珪質微化石の高分解能生層序帯の構築,(2)同時代性が確立された地層間における地質現象と群集構成の比較,を行い,東アジア古生代地質体の相互関係とその起源の解明を目的とするものである. 本年度は申請書に記載した年次計画に基づき,日本列島の古生代構造帯に地質学的に連続する中国新疆ウイグル自治区ジュンガル盆地西部の古生界およびモンゴルのシルル系・デボン系について,放散虫生層序に基づく年代決定と法域対比を目的に,基礎的な地質データの収集と化石抽出を行った.また,平成15年度に引き続き,国内の研究地域についても調査を継続した. 中国新疆ウイグル自治区ジュンガル盆地西部の古生界では,オルドビス系〜石炭系を対象に9日間の野外地質調査を行い,微化石抽出用に系統的な岩石試料採取を行った.その結果,保存良好なオルドビス紀の放散虫化石群集を得ることができ,現在その詳細な群集解析を行っている. モンゴルのシルル系・デボン系については,16日間の野外地質調査を行った.野外での層序・地質構造の検討により,このシルル系・デボン系が付加体であることを認定し,また,採取した岩石試料(チャート)からシルル紀の放散虫およびコノドント化石の抽出に成功した.これは東アジアで初めて確認されたシルル紀遠洋性堆積物であり,その報告を来年度内に行う予定である. 国内の研究地域については,飛騨外縁帯と南部北上帯の研究結果をまとめ,3編の論文を公表した.また,飛騨外縁帯のシルル紀・デボン紀放散虫化石については,その生層序・系統分類学的研究を国際誌(Micropaleontology)に投稿した.
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Research Products
(5 results)