2004 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯アジアにおける文化遺産保存活用と地域アイデンティティ形成過程研究
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03J02165
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
田代 亜紀子 上智大学, 大学院・外国語学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 文化遺産保存 / 地域アイデンティティ / 植民地政策 / ナショナリズム / 社会学 / 歴史学 / 政策研究 |
Research Abstract |
前年(平成15年度)の国内・海外調査において収集した論文・文献の徹底した読み込みを進めると同時に、国内外における学会・研究会に参加することにより理論を発展させた。また、次年度(平成17年度)予定されている現地調査にむけて、フィールド調査方法論および現地語理解を深めた。 1)学会・研究会への参加:東南アジア史学会、環境社会学会、遺産観光と文化遺産管理に関する研究会(国立民族学博物館)、クメール学研究会、文化財保存に関する研究会(東京文化財研究所)、日本文化人類学会 2)国内調査:国立民族学博物館図書室における資料収集(5月実施)。前年(平成15年)に引き続き、民博所蔵の英国議会資料(BPP)を用いて英国における文化遺産保存概念の始まりと国家的な保護制度発展の歴史を考察する。本年度は特に、19世紀末からの英国による東南アジア地域への文化政策を分析すると同時に、同時期の英国のエジプトへの文化政策資料との比較を試みた。 3)海外調査:英仏調査(2004年8月17日〜9月18日)を実施。前半は、ルメール保存研究センター(ベルギー)において文化財保存学の西欧における成立背景を探るため、特にフランス革命後のフランスを中心にした遺跡保存および修復に関連する資料を収集した。同時に、同研究所が所蔵する19世紀オランダのインドネシアおよびインドシナ半島の遺跡に関する蘭語論文および調査報告書を収集し分析した。後半は、ロンドン大学考古学研究所所属図書館において、近年英国で発表されたヘリテージ研究分野の最新研究論文を収集した。また、英国遺跡保存機関(English Heritage)文書館(スウィドン)を訪れ、文化財保護法などの法律を中心として英国における遺跡保存政策成立の歴史公文書を収集した。また、滞在中に開催されていた東南アジア学会研究大会(2004年9月1日〜9月5日・パリ第3大学)および東南アジア考古学会研究大会(2004年9月14日〜9月17日・大英博物館)に参加し、西欧における東南アジア研究の研究動向を探り、西欧における東南アジア研究者およびタイを中心とした東南アジアからの参加者との交流を深める。 4)旅の文化研究所主催「旅の文化研究フォーラム」に、コメンテーターとして出席。(2004年4月18日於:東京エドモンドホテル)
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