2005 Fiscal Year Annual Research Report
前頭前野領域を中心とする高次脳機能の、神経回路アーキテクチャとしての解析
Project/Area Number |
03J02170
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
山下 幸樹 上智大学, 理工学部, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 前頭前野 / ドーパミン / ワーキング・メモリ / 中脳 / レギュレータ |
Research Abstract |
平成17年度における私の研究は、16年度に引き続き、前頭前野内ドーパミンの安定調節メカニズムを、モデル深海回路のシミュレーション、およびモデル解析の両面から分析することであった。シミュレーションモデルに関しては、leaky integrate-and-fire neuron modelを自研究にあった形に改良したものを使用した。結果として、前頭前野と中脳間にある閉ループ回路が、前頭前野内ドーパミンレベルを最適レベルに安定化させる、という従来の結果を裏付ける結果が得られた。また、様々な変数を変化させてシミュレーションを行った結果、この安定化には前頭前野から中脳に対するフィードバック投射が非常に重要であるということがわかった。今年度は特に、このようなシミュレーション結果の理論的な証拠を得るために、解析モデルを用いた研究にも注力した。そこで得られた結果は、1)前頭前野-中脳閉回路によってドーパミンレベルが最適レベルに安定化されるのは、そこに安定な結節点をこのシステムが持つからである、ということと、2)ドーパミンレベルの安定領域は、回路パラメータに依存するということがわかった。後者については、さらなる解析により、安定領域への影響度合いがパラメータによって違ってくるということもわかった。この後、この解析結果を実際にシミュレーションで確認した上で、解析データ、シミュレーションデータを合わせて論文を作成し2005年度12月にNeural Computationに投稿したが、現在査読中である。
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Research Products
(1 results)