2003 Fiscal Year Annual Research Report
湿原植生モニタリングのための多時期・高空間解像度リモートセンシング手法の開発
Project/Area Number |
03J02223
|
Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
宮本 みちる 独立行政法人国立環境研究所, 社会環境システム研究領域, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 国際研究者交流 / クィーンズランド / ギラウィーン国立公園 / 湿原植生 / リモートセンシング / ハイパースペクトル / 森林火災 / 植生マッピング |
Research Abstract |
湿地植生保全と管理のためには植生の詳細な分布状況とその変動の把握が必要不可欠である。クィーンズランド州北東部(豪)は、温帯・亜熱帯湿原と周辺部の山火事(1990年以降)により、そのモニタリングは急務である。しかしながら、火災前後の植生データが未整備であり、多様な植生を正確に把握する計測手法は未開発な現況である。 本研究は、航空機搭載型ハイパースペクトル・センサ(HyMap,126bands/0.45-2.5μm)による多時季の高解像度画像を利用し、湿原植生把握のための評価をすることを目的とした。特に、更新が数年で湿原周辺の環境影響によるインパクトを受けやすい脆弱な植生、低木や高山生植物の抽出は、高木の樹木等に比べて衛星画像から詳細な判別は難しい。そのため、ランク付けによる保全指定植生マッピングにより、生態学的にも実解析に有効な植生分布の面的空間情報を明らかにする。 ギラウィーン国立公園(Lon:151°54'43"E,Lat:28°46'27"S)を本解析対象地(17,000ha)とした。初年度は、州指定保護区の北西部(約900ha)において2003年8月4-27日(冬季)と2004年1月5〜27日(夏季)の2時季にグランドトゥルースを行った。クィーンズランド州自然資源管研究所との共同作業により、植生調査及び火災履歴から過去10年間(4時期)の火災の変化抽出(衛星画像SPOT-4/マルチスペクトル)を行い、判別可能な植生パターンと火災状況を明確にした。また、個葉(破壊・非破壊)・群落の分光データを取得した。 今後は、ハイパースペクトル画像と観測時季及び分光情報及びセンサの組み合わせから、湿原植生把握のための評価を行う。また、火災被害の影響と回復過程における温帯・亜熱帯植生の代表的分類群の構成樹種や分布域の変化を明確にし、森林火災回避と湿原保全・管理に有効なマッピングを試みる。
|