2005 Fiscal Year Annual Research Report
CVDナノアーキテクチャー技術を利用したセラミックスウイスカー冷陰極の創製
Project/Area Number |
03J02267
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
鷲尾 司 長岡技術科学大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ウイスカー / 電界放射 / 冷陰極 / セラミックス / アモルファス炭素 / スパッタ / CVD / 酸化亜鉛 |
Research Abstract |
ウイスカー冷陰極を用いた超高真空にある発光素子内部にわずかに残留する気体分子のスパッタ作用でウイスカー冷陰極が消耗する。スパッタに強い先端保護材料の設計ならびにスパッタを抑える作用をもつ雰囲気ガスの選定を行った。さらに保護膜としての機能と二次電子放射しやすい材料と作動ガスを実験的に探索した。材料の終端構造が見かけの仕事関数を左右するために、そのような材料を選定した。 冷陰極を選定した結果、アモルファス炭素系膜と酸化マグネシウム膜が比較的スパッタに強いことがわかった。このような膜がない場合、冷陰極となるアルミニウム添加酸化亜鉛ウイスカーが動作開始後すぐにスパッタされるのに対し、アモルファス炭素系膜が10-50nmコーティングされた場合には、1000時間程度スパッタされずに電子を放出することがわかった。さらに酸化マグネシウムが10-50nmコーティングされた場合には、1000時間程度スパッタされずに電子を放出することがわかった。適切な雰囲気ガスの選定を行った結果、ヘリウムでわずかに特性が向上したが、メタン、エチレンなどでは、逆に特性が悪化した。 見かけの仕事関数は、窒素、酸素、水素を含有するアモルファス炭素系薄膜で低くなることがわかった。炭素のみの薄膜では、見かけの仕事関数は3eVとなり、電界放射に対して不利になることがわかった。雰囲気ガスとしては、ヘリウムでは電界放射が得られたものの、ガス雰囲気によって見かけの仕事関数は変わらなかった。メタンあるいはエチレンでは電界放射が得られなかったため仕事関数が得られなかった。
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