2004 Fiscal Year Annual Research Report
B^0→η´K_s崩壊を用いた標準理論を越えるCPの破れの探索
Project/Area Number |
03J02291
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
原 康二 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | CP対称性 / 標準理論 / B中間子 / 素粒子実験 / 新物理探索 |
Research Abstract |
中性B中間子の|'Ks崩壊を始めとする、bクォークからsクォークへの、いわゆるペンギン崩壊におけるCPの破れの測定を行い、標準理論を超える現象の探索を行った。標準理論では、このCPの破れは、小林・益川行列のパラメータsin2φ_1になるが、標準理論を超える物理による寄与が存在すれば、ずれが観測される。 今年度は、高エネルギー加速器研究機構で行われているBelle実験にて2004年夏までに蓄積された、昨年度の約2倍にあたる約2億7千万個の中性B中間子崩壊データを解析した。η'Ks崩壊に加え、同じくbクォークからsクォークへのペンギン崩壊である、K+K-Ks、Ks、また新たにφKL,ωKs崩壊についても解析を行い、合計約1200事象を得、これらの事象を用い、CPの破れを測定した。 基準となるsin2φ_1は、中性B中間子のJ/ΨKs崩壊などの、標準理論を超える物理からの影響を受けない、bクォークからcクォークへのツリー崩壊による崩壊モードを用いて測定した。またこの解析過程において、検出器の分解能等の較正に使うD^*lνやDπ等の崩壊分岐比の大きい崩壊モードを用い、B中間子の寿命、B反B中間子混合パラメータΔmの世界最高精度での測定も行った。 それぞれのbクォークからsクォークへのペンギン崩壊モード個別のCPの破れの測定結果においては、J/ΨKs等から得られたsin2φ_1からの統計的に有意な差は得られなかったが、全てのモード及び、Belle実験でのKsKsKs崩壊の結果の平均ではsin2φ_1から2.4シグマの統計的有意度の差となり、ずれを示唆する結果が得られた。
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Research Products
(1 results)