2005 Fiscal Year Annual Research Report
回折輻射を用いた極低エミッタンスビームのビームサイズ測定
Project/Area Number |
03J02301
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
武藤 俊哉 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 特別研究員(PD)
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Keywords | 加速器 / 回折輻射 / ビームモニタ |
Research Abstract |
回折輻射の理論的な研究は1970年代に行われているが実験的には1990年代に入って初めて測定されたもので実験的研究は十分に行われていなかった。また、本研究課題で用いる可視光領域の非干渉回析輻射光は本研究グループによって2002年度に世界で始めて測定され、その後、2004年度にはビームサイズ測定の初期データを得、国際学会において口頭発表で我々のグループの研究成果の報告などを行ってきた。これらの実験によって回折輻射を用いたビームサイズ測定の原理的な検証はできた。原理的には回折輻射を用いたビームサイズ測定はビームがターゲットを一度通過しただけでビームサイズ測定を行うこと(シングルショット測定)が可能である。本年度はこのシングルショット測定を可能にするための測定器系の構築とビームテストを行った。 ビームサイズ測定は回折輻射の強度角度分布を測定する必要がある。シングルショット測定ではこの強度角度分布を一回の測定で得なければならず、かつ放出される回折輻射は微弱であるため高感度の多チャンネル測定器が必要である。そのためにわれわれは冷却CCDカメラを測定器として採用した。CCDを用いることにより以前の測定方法よりも角度分解能の向上も図れた。 また、イメージインテンシファイアを用いて回折放射光を増幅することでさらに測定感度を向上させた。 実験においてこの測定器系を用いてシングルショットで回折輻射光の二次元分布を測定することに成功した。また、角度分解能が向上したことにより標的が理想的な形状ではなく、10ナノメートルレベルで歪んでいることが示唆された。これらのことは今後の回折輻射ビームモニタの利用において重要な基礎データを与えることができたと考える。
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