2004 Fiscal Year Annual Research Report
地球観測衛星データを用いた巨大災害のモニタリングと発生予知に関する研究
Project/Area Number |
03J02369
|
Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
後藤 健介 西南学院大学, 文学部, 特別研究員PD
|
Keywords | 巨大災害発生予知 / 地球観測衛星データ / 新潟県中越地震 / 地表面温度 / 植物活性 |
Research Abstract |
本年度においては、引き続き、巨大災害の衛星データによるモニタリング解析を行った。対象とした巨大災害は2004年10月23日発生の新潟県中越地震とし、地表面温度と植物活性の経時変化を調べた。さらに、現地調査によって地震被害の特徴を調べた。 解析に用いた衛星データは、NOAAのAVHRRデータ、およびTERRAのASTERデータである。NOAA/AVHRRデータでは地震が発生した前後約1ヶ月の震源地付近における地表面温度と植物活性の経年変化を、TERRA/ASTERデータでは主に春における植物活性の経年変化を調べた。 この結果、NOAA/AVHRRデータ解析結果から、地震発生6日前(2004年10月17日)に、震度7を観測した川口町で温度上昇が見られ、地震発生後には地震発生前の温度に戻ったことが分かった。震源地付近全体での経年変化の特徴を見ていくと、2002年、2004年には周期的な温度の昇降が見られた。 また、植物活性の経年変化を調べた結果、特徴的な変化を示す地点は見られなかったものの、震源地付近全体では地表面温度の変化同様、2002年、2004年に周期的な植物活性の変化が見られた。これは、この地域は断層の密集地帯であり、度々地震が発生していることから、地震エネルギーの蓄積と放出の繰り返しが、周期的な温度変化と植物活性の変化をもたらしているものと考えられる。 TERRA/ASTERデータ解析結果からは、震源地付近、および地震の影響が軽微である地点において、植物活性の大きな変化は見られなかった。TERRA/ASTERデータによる地表面温度の変化は今後調べていくこととする。 現在、福岡県西方沖地震について現地調査を行っているほか、該当する衛星データを検索しており、今後は衛星データから植物活性、地表面温度、および海面温度やクロロフィル濃度の変化についても調べていく予定である。
|