2005 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫・ダニ類における薬剤抵抗性とAChEの薬剤感受性低下機構の解明
Project/Area Number |
03J02384
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
古崎 利紀 国立感染症研究所, 昆虫医科学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | アセチルコリンエステラーゼ / 感受性 / 昆虫 / 抵抗性 / 立体構造 |
Research Abstract |
殺虫剤に対して抵抗性を発達させた昆虫・ダニ類で、薬剤の作用点である°ンクロ(アセチルコリンエステラーゼ)の感受性は°ンクロに生じている部分変異(アミノ酸残基の置換)によることが分かった。 ・.昆虫・ダニ類における°ンクロ遺伝子の解析 ツマグロヨコバイ、イネドロオイムシ、コナガにおいて°ンクロの一次構造を決定し、°ンクロの一次構造に存在するアミノ酸残基の置換の有無を明らかにした。最近、有機リン剤抵抗性を新たに発達させつつあるAlphitobius diaperinusについて°ンクロュの一次構造を決定した。 ・.°ンクロの薬剤感受性低下を伴うアミノ酸残基の置換をin vitroで検証 既にいくつかの昆虫で見つかっているアミノ酸残基の置換のうち、°ンクロの活性部位に存在する置換の効果を導入したコガタアカイエカの°ンクロを発現するバキュウロウィルスを作製し、ヘコ-細胞でタンパク質を発現した。また各種阻害剤を用いて、発現した°ンクロの阻害試験を行い、アミノ酸残基の置換の効果をin vitroで検証した。 ・.構造遺伝子の変異によらない°ンクロの感受性低下機構の解明 本研究やそれに関わる研究者の結果から昆虫、ダニ類から第二の°ンクロが報告された。部分変異を導入した°ンクロを用いた感受性試験から、第二の°ンクロの°ンクロに生じたアミノ酸残基の置換によって薬剤に対する感受性の低下を説明できることが分かった。これらの置換についての考察は立体構造予測アプリケーションのひとつであるモムロ(菱化システム)を用いて行った。
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Research Products
(2 results)