2004 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチン構造変換における脳特異的なアクチン関連タンパク質の機能に関する研究
Project/Area Number |
03J02413
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
尾間 由佳子 甲南大学, 自然科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | アクチン関連タンパク質 / クロマチン構造変換 / 脳神経特異的 |
Research Abstract |
アクチン関連タンパク質(Arp)は真核生物に広く存在し、従来から出芽酵母の10種のArpを元にArp1-10のサブファミリーに分類されている。しかしながら、これまで行われて来たArpのアライメント解析は特定の生物種あるいはサブファミリーについてのものであり、異なる生物種における全てのアクチンファミリー(アクチン、Arp)についての網羅的な解析はこれまで行われてこなかった。そこで、フランスIGBMC研究所のDr.Olivier Pochとの共同研究により、可能な全ての生物種のゲノムデータベースを利用し、アライメント解析用プログラムを用いてアクチン及びArpのアライメント解析を行った。この解析により、各Arpサブファミリーの出現時期と生物間での保存性を明らかにすることができる。その結果、細胞核に局在するArp4,6がArpの中で最も広い生物種で存在することが明らかとなった。さらに、Arpの存在・非存在のパターンが2種のArpの組み合わせで示されることが示された。これまで、生化学的にArp2/3、Arp7/Arp9がヘテロダイマーを形成することが報告されていたが、今回のアライメント解析よりヘテロダイマーを形成することがArpに共通の性質である可能性を示した。さらに解析結果とこれまでのアクチンファミリーについての生化学的な情報とを比較し、ファミリーあるいはサブファミリー内で共通、または特徴的なタンパク質相互作用領域を見出す作業を行っている。また、Arp4サブファミリーに属する脳・神経特異的なArpNαについては、その進化上の出現時;期を神経系の形成パターンと比較することで、パラログであるArpNβや下等真核生物のArp4との機能の違いについての一端が解明できることが期待される。
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Research Products
(1 results)