2004 Fiscal Year Annual Research Report
菌根菌種の違いがクロマツの水分吸収機能およびマツ材線虫病抵抗性に与える影響
Project/Area Number |
03J02435
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
浅井 英一郎 国立大学法人鳥取大学, 乾燥地研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 菌根菌 / マツ材線虫病 / 抵抗性 / マツノザイセンチュウ / 共生 |
Research Abstract |
計画2年目にあたる本年は、クロマツ菌根菌種の違いがマツ材線虫病の進展に与える影響について、当年生実生苗を用いて基礎的な知見を得るとともに、菌根菌種の違いに着目した実験を行おうとした。住居を鳥取に移し、昨年分離培養した菌株をもとに本格的な室内実験を開始しようとした矢先、温度管理室の故障と修理の遅れにより昨年得た菌株のほとんど(10種中8種)を死滅させてしまい、改めて秋に菌株を採取することになった。そのため計画に非常な遅れを生じてしまったのは否定できない。しかし、コツブタケ、ヌメリイグチ、アミタケ、チチアワタケ、ショウロ、シモコシ、ウラムラサキ、オオキツネタケ、ドクベニタケ、テングタケ属菌2種の計11種の菌根菌についてその培養菌株を確立するとともに、比較的生長の早い5種の菌(コツブタケ、ヌメリイグチ、アミタケ、チチアワタケ、ショウロ)を用いて合計2回の予備実験を行うことができた。しかしその結果はあまり芳しいものとは言えず、菌根菌接種苗と対照区(菌根非接種苗)の間にマツノザイセンチュウ耐性に明瞭な差は認められなかった。しかし、これは実験に用いたマイクロバイアル内の水分量が多すぎた可能性や、菌根接種と線虫接種の間の時間が短すぎたことが原因で菌根の影響が十分に現れなかった可能性が大きいと思われるのでさらなる研究が必要である。そこで以上の点に留意し、現在改めて実験を行っているところである。2005年3月1日の時点で菌根菌接種後約1ヶ月を経過した状態であり、近々菌根菌の定着を顕微鏡下で確認するとともに、第1回目の苗の植栽を行う予定である。なお、本研究の土台となるマツノザイセンチュウと環境ストレスとの相互作用に関わる過去の研究に関して海外誌に再投稿を行い、掲載されるに至ったので、併せてここに報告しておきたい。
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Research Products
(1 results)