2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J02476
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
原 克昭 茨城大学, 人文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 日本中世思想史 / 中世神道 / 中世日本紀 |
Research Abstract |
本研究の2年目にあたる今年度は、前年度からの継続課題である資料調査・蒐集およびデータ整理と解析に加えて、次年度に提出予定の博士学位請求論文の構想立案を中心に研究を遂行した。 1.資料調査・蒐集:記紀註釈文献の諸本研究の一環として、前年度同様に都内諸機関(内閣文庫・東洋文庫・東京大学史料編纂所ほか)、真福寺大須文庫・京都檀王法林寺・富山市立図書館山田孝雄文庫において書誌調査を実施した。うち、真福寺大須文庫の調査成果は、受入研究者と共編で前年度にまとめ終え、真福寺善本影印叢刊『類聚神祇本源』として本年度に刊行した。継続して同叢刊『伊勢神道集』を鋭意編集中である(次年度刊行予定)。その他、本年度はとくに室町期の抄物資料を中心に調査・蒐集を行ない、この成果は新出諸本と併せて「中世神代紀註釈文献簡明目録」として、もっかデータ化を進めている。 2.データ整理・解析:書誌調査と併行して、中世における日本紀関係の諸本・事績・記事を類聚し年譜化した「中世神代紀をめぐる学問享受史・類聚纂輯年譜」の作成に従事した。とりわけて本年度は、諸記録や諸写本の奥書・識語を重点的に洗いだし、室町期吉田家・清原家学における神代紀研究の実態解明をめざした。当年譜はいずれ機会を得て公開する予定であるが、その一部は吉田家の日本紀進講史という観点からまとめなおし『むろまち』誌上に発表した。 3.学位請求論文の構想報告:次年度に提出予定の学位論文につき、提出先の早稲田大学出身研究室において数回中間報告を行なった。本研究で得られた成果を組み込んだかたちで、構想と目次を立案し執筆態勢の整備に努めた。 如上の成果のもとに、最終年度にあたる次年度は、学位論文の執筆と併せて、研究成果を学会等において随時発表していく所存である。 (約750字)
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Research Products
(3 results)