2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J02480
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
宮原 和己 茨城大学, 農学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 粘土 / フロック / 見かけの粘度 / 二相モデル / スリップ効果 / フロック強度 / フロックのせん断破壊 / フロックの伸張破壊 |
Research Abstract |
本研究では,毛細管内を流動する凝集系粘土懸濁液の見かけの粘度に及ぼす管径効果を明らかにすることを目的とした. 分散系では,管内を流動している懸濁液に対して、二相モデル(管コア部のコア懸濁相と管壁面近傍の溶媒層(スリップ層))を導入し、スリップ効果を含む見かけの粘度に対する近似のないモデル式を導いた.モデル式から得られる見かけの粘度と管径の関係は,Higginbotham et al.の測定結果と良く一致した.また,Higginbotham et al.やWatanabe et al.によって提案されたコア懸濁相の体積分率に対する近似の有効性を明確にした. 凝集系では,フロックが流動単位であると考え,スリップ効果に加えて,フロックのせん断破壊の効果を含む見かけの粘度と管径の関係式を導いた.また,管径の異なる毛細管粘度計を用いて,凝集系モンモリロナイト懸濁液の見かけの粘度を測定した.測定の結果,NaCl濃度0.3と0.45mol/Lでは.見かけの粘度は管径の増加につれて小さくなり,フロック破壊の効果が支配的であり,一方,NaCl濃度が0.8と1.0mol/Lでは,見かけの粘度は管径の減少とともに小さくなり,スリップの効果が支配的であることがわかった.さらに,これらの測定結果は,導出した関係式から得られる見かけの粘度の管径依存性とよく一致した.この時,分散媒層の厚さはフロック径の0.28倍であり,そして,フロックの破壊に対する強度はNaCl濃度の増加とともに大きくなった. さらに、毛管入口において発生する伸張流によるフロックの伸張破壊に関する考察も行い、せん断破壊と同様の管径依存性を示すことを明らかにした。
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Research Products
(1 results)