2003 Fiscal Year Annual Research Report
コンドリュール・CAIの微小部酸素同位体比解析による原始太陽系の形成過程の研究
Project/Area Number |
03J02528
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
丸山 誠史 岡山大学, 固体地球研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 酸素同位体 / コンドリュール / CAI / 隕石 / 連続フロー同位体比質量分析法 / レーザーアブレーション / 局所分析 / 原始太陽系 |
Research Abstract |
隕石は太陽系の形成過程を知る上で最も直接的かつ物質科学的な情報を提供する。コンドライト隕石に含まれるCAIやコンドリュールを構成する鉱物の特徴的な酸素同位体比異常の成因は、惑星物質科学における最重要課題の一つである。本研究では、コンドリュールやCAIの酸素同位体組成を高精度に測定するために、紫外線レーザー掘削型連続フロー同位体比質量分析計(UVLA-CF-IRMS)を自作する。そして酸素同位体組成と岩石学的特性とを関連づけて考察し、各種物質の形成過程を解明する。これにより初期太陽系の物理化学的環境、物質進化史に関する全く新しい情報を得る事を目的とする。 平成十五年度は主にUVLA-CF-IRMSの試料前処理ラインの開発を行った。前処理ラインの構造は当初、Young et al.(1998)の方式、すなわち2つのヘリウムの流れをキャピラリーチューブと3つのON/OFFバルブの開閉によって制御する方式に倣っていた。しかしこれまでの試行から、この方式はヘリウム流の制御が非常に難しく、ヘリウム流を逆転させる際にベースラインが激しく乱れるという問題も発生した。 これらの問題を解決するため、六方バルブによってヘリウム流の向きを逆転させる方法に、前処理ラインを改良した。この改良によって配管は非常に単純になり、ヘリウム流の逆転によるベースラインの乱れも、ほぼ無視できる大きさにまで減らす事ができた。 本装置では、レーザー掘削によって得られた試料の酸素を、ヘリウムで前処理ラインへ強制的に押し出す方式を採用する予定である。反応容器からフッ素除去管までの容積はブランクの量に密接に関係する。現在の配管による試験では多量のブランクが付加される事が判明したので、今後はこの部分の容積を減らすための改良を行う予定である。
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