2003 Fiscal Year Annual Research Report
組み合わせ論的表現論から得られる一般化された特殊関数の構造と分類
Project/Area Number |
03J02529
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
水川 裕司 岡山大学, 理学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 表現論 / 特殊関数 / 超幾何関数 / 有限群 / 対称群 / 代数的組合せ論 |
Research Abstract |
多変数の超幾何関数で記述できる選点系直交多項式について(n+1,m+1)-型超幾何関数に関してかなり一般的な記述が可能であることがわかった、これを簡単に説明すると(G wr Sn,H wr Sn)の形のゲルファントペアの与える帯球関数は全て(n+1,m+1)-型超幾何関数を用いて合理的に記述できると言うことである。これはさらに一般化されて指標代数でも同様な結果が得られることまで示した。これに関し幾編かの論文および国際研究集会での口頭発表を行った。 また、古典型対称空間で(GL(R),O)に対応するワイル群のゲルファントペアを一般化し、そこでの帯球関数の特性写像の像が他成分のzonal多項式でかけることがわかった。またその帯球関数の一部からも(n+1,m+1)-型超幾何関数が得られることがわかり、現在さらにその他の部分に関し研究中である。はじめに述べた(G wr Sn,H wr Sn)がA型の理論だとするとこちらはB型と呼ぶべきであるが、この成果によってまず帯球関数の多成分対称多項式の理論が得られたことになる、これを説明すると現在までにwreath積を用いた多成分シューア関数の理論というものが、I.G.マクドナルドによって展開されているが、わたしの結果によって多成分シューア関数と平行に存在すべきである他成分zonal多項式が得られた、ということである。また、個々の帯球関数の超幾何関数による記述であるが、このケースにおいては、(n+1,m+1)-型超幾何関数でかける部分はごくわずかな部分にとどまっており、それ以外の(n+1,m+1)-型超幾何関数では書ききれない部分で興味深い関数が得られることが期待される。これに関し口頭発表を行った。 また、D型のアフィンリー環の表現にあらわられるウエイトベクトルと長方形のシューア関数との関係も記述することが出来た。この研究はA型のものに関しては既にいくつか我々の結果を発表済みでありそのバリエーションである。我々の新しい結果は長方形でパラメトライズされるシューア関数をシューア関数とシューアのQ関数の積で展開すると言うものである。これらはそれぞれリー環の異なる実現のウエイトベクトルになっており巧妙なフェルミオンの計算によりその二つの関係の記述を可能にした。これはソリトン方程式への応用が期待されるのと同時に対称関数の等式としてみても新しいものである。これに関しては口頭発表を行い来年度に国際研究集会で発表予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 水川裕司: "Factorization of Schur functions of various types"Journal of Algebra. 269/1. 215-226 (2003)
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[Publications] 赤澤尋樹: "Orthogonal polynomials arising from the wreath products of a dihedral group with a symmetric group"Jounal of Combinatorial Theory ser.A. 104/2. 371-380 (2003)
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[Publications] 水川裕司: "Zonal spherical functions on the complex reflection groups and (m+1,n+1)-Hypergeometric functions"Advances in Mathmatics. To appear.
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[Publications] 水川裕司: "(m+1,n+1)-hypergeometric functions associated to character algebras"Proceeding of American Mathematical Society. To appear.