2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J02535
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
江口 傑徳 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 転写 / 遺伝子発現 / 軟骨 / 結合組織成長因子 / CTGF / TRENDIC / TGF-β |
Research Abstract |
これまでにctgf遺伝子の上流領域(転写開始点の上流、約800塩基対)による転写調節に関する研究を行い、軟骨肉腫由来軟骨細胞様細胞株HCS-2/8において転写促進に関わる新規シスエレメントTRENDICを同定していた。その後、以下のことを明らかにした。 1.ctgf遺伝子の転写調節機構は細胞種により異なる。 (1)TRENDICが細胞種特異的に転写促進機能を発揮することを多面的な解析により明らかにした。 (2)TRENDIC近傍にTRENDIC様の配列を見出し、これもまた転写促進機能をもつことを明らかにした。 (3)CTGF合成量の多い細胞株の中でも、TGF-β/SMADシグナルによりctgf遺伝子の転写が促進されているものと、TRENDICが強く関わるものがあることを明らかにした。 2.TRENDIC結合因子のcDNAクローニング (1)HCS-2/8細胞由来のcDNAライブラリーからサウスウェスタン法によりTRENDIC結合因子のcDNAをクローニングし、3種類のcDNAを得た。そのうち2つの遺伝子については、転写を促進することを確認した。 3.TRENDIC結合因子の機能解析(3つの遺伝子のうち最も興味深かった因子について) (1)この因子がTRENDICを介して転写を活性化することを多面的に示した。 (2)この因子のリコンビナントタンパク質はTRENDICと結合する。 (3)既知の転写因子との相同性を持っプロリンに富む領域が存在する。 4.上記因子とその他の因子の細胞内局在変化機構について、以下の可能性を示唆するデータを得ている。 (1)HCS-2/8細胞においてこれらの因子は、新規の翻訳開始機構により細胞種特異的アイソフォームの合成よびその局在変化を生じる。 (2)エンドサイトーシスによりこれらのタンパク質の細胞内局在が変化する。 これらの研究成果について、現在投稿準備中である。
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Research Products
(1 results)