2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J02535
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
江口 傑徳 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 組織再生 / 軟骨 / 乳癌 / CCN2 / CTGF / 転写 / 核 / TRENDIC / MMP-3 |
Research Abstract |
内軟骨性骨化、乳癌の骨転移、組織再生などへの強い関与が報告されているタンパク質CCN2/CTGFは、それら生命現象の実験的モデルとして多用されている細胞株HCS-2/8やMDA231でもまた高発現しており、そのメカニズムの一つがCCN2プロモーター上のエンハンサーTRENDICとタンパク質(複合体)の相互作用であることは既に我々が論文報告している。その後TRENDIC結合因子を同定するために行ったサウスウェスタンスクリーニングにより得られたcDNAの1つは細胞外基質分解酵素として知られるMMP-3をコードしていた。そこでMMP-3による転写調節について研究を行っている。 1.軟骨組織および培養軟骨細胞様細胞株HCS-2./8の免疫染色では、MMP-3は細胞核に局在化していた。 2.HCS-2/8の細胞成分を核・細胞質に分画し、ウェスタンブロッティングにより検討したところ、両方の画分にMMP-3が検出された。 3.クロマチン免疫沈降により、通常培養条件下のHCS-2/8細胞においてMMP-3が染色体上のCCN2のプロモーター領域(TRENDICを含む)に結合することが分かった。 4.TRENDICと核タンパク質複合体の結合は抗MMP-3抗体によって阻害されるというスーパーシフトアッセイの結果からも、MMP-3がTRENDICに結合することが分かる。 5.各種細胞株で強制発現したMMP-3は細胞質および核に局在した。この強制発現MMP-3によるCCN2プロモーターの活性化は特定の細胞株でのみ認められた。 6.HCS-2/8におけるCCN2のプロモーター活性はMMP-3インヒビターの添加により抑制された。 7.質量分析装置を応用することでMMP-3結合性転写調節因子・核輸送因子を同定した。 現在上記の結果を統合し、論文発表に向け準備中である。
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