2004 Fiscal Year Annual Research Report
軟骨由来多機能成長因子CTGFの遺伝子発現、及び血管新生作用機序の解明
Project/Area Number |
03J02538
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
近藤 誠二 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 結合組織成長因子(CTGF) / 低酸素 / 遺伝子発現 / 転写後調節 / 3'-UTR |
Research Abstract |
結合組織成長因子(CTGF)がある種の癌細胞、特に我が研究室で独自に樹立された軟骨肉腫細胞株HCS-2/8で高発現していることに着目し、その遺伝子発現制御機構と血管新生作用を結び付けた癌細胞の低酸素暴露実験を行ってきた、そしてHCS-2/8において低酸素状態がctgf mRNAを誘導し、その低酸素誘導の機序はmRNAの安定性の増大が重要な役割を果たしている事が明らかになっていた。以下が本年度の研究で新たに得られた知見である。 1.ctgfのsteady-state mRNA levelを変える責任エレメントが3'-UTR上流84bpに存在することをRNAゲルシフトアッセイ(REMSA)およびmRNA degradation assayで明らかにした。具体的には、(1)3'-UTR全長及び部分的RNA probeを作製し、核内及び細胞質タンパク質との結合をREMSAで検討したところ、ctgf 3'-UTRの上流寄84bpの断片まで結合パターンが似ており、また各probeで低酸素暴露した場合の結合力が増していることを確認した。(2)前方の84bpのprobeをcompetitorにして、各probeとcompetitor assayを行うと、3'-UTR全長まで競合がかかり、この84bpが結合に十分な領域であることが明らかになった。(3)この84bpの断片とレポータ遺伝子のキメラ遺伝子を作成し、これを元に試験管内RNA合成を行い通常酸素もしくは低酸素暴露した細胞から抽出した細胞質タンパク質と反応させると低酸素暴露した細胞質タンパク質と反応させたRNAの分解速度が遅くなっていた。 2.この結合タンパクを評細に調べる為、UVクロスリンクアッセイ(UVXL)、ノースウェスタン(NW)を行うと、84bpの領域に核内および細胞質側で低酸素下で結合力の増す、35kDaのタンパクの存在が明らかになった。
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Research Products
(1 results)