2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J02569
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大倉 広成 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 含フッ素アミノ酸 / 脱フッ素反応 / インジウム / ジフルオロアミノ酸 |
Research Abstract |
本研究は、医薬分野で有用視されながらも、一般的な合成法がないため系統的な構造と活性の相関関係などを含め解明が遅れている含フッ素アミノ酸、とりわけ、ジフルオロアミノ酸の一般的な合成方法を確立することを目的としている。 予備実験により、2-シリルアミノジフルオロアクリレートに対し親電子剤であるアリルパラジウムおよび塩化チオールを作用させジフルオログルタミン酸誘導体およびジフルオロシステイン誘導体の合成に成功している。しかしながら、求核剤であるアルキル金属種では、addition-eliminationが進行するためジフルオロメチル基の増炭反応は困難であることがすでに知られている。そこで、もっとも基本的な骨格であるα,α,α-トリフルオロ-β-ヨードアルキルに対し様々な金属をもちい、halogen-metal交換により、α-トリフルオロメチルアニオンを発生させ、安定金属アニオン種のスクリーニングを行った。その結果、亜鉛、インジウムによって、α-トリフルオロメチルアニオン活性種の生成が確認でき、更に、インジウム活性種においては室温、THFまたはDMF中において脱フッ素することなく、α-トリフルオロメチルアニオン活性種が化学量論的に存在することが確認できた。この活性種に対し様々な親電子剤、ラジカル補足剤、また、反応性を上げるため、酸化剤、還元剤、ルイス酸、ルイス塩基を作用させたが反応は進行しなかった。しかしながら、酸性条件下においてプロトン化の進行は確認でき、α-トリフルオロインジウムアニオン活性種は非常に安定であるが反応性に乏しいことがわかった。そこで、2-シリルアミノ-ジフルオロアクリレートに対し求核剤であるアリルインジウムを作用させα-ジフルオロメチルインジウムアニオン種の生成を試みた。現在、条件検討を行っているがまだ求核的アリル化に成功しておらず更なる検討が必要である。
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