2004 Fiscal Year Annual Research Report
バラの花器官分化および棘形成の分子機構の解明と分子育種による新規バラの創製
Project/Area Number |
03J02624
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
北原 健太郎 岐阜大学, 教育学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 花器官分化 / MADS遺伝子 / バラ |
Research Abstract |
高等双子葉植物の花器官分化を制御するMADS遺伝子群の中では,クラスC MADS遺伝子であるAGAMOUS(AG)ホモログが雄ずいと心皮の分化制御に,クラスB MADS遺伝子群であるPISTILLATA(PI)ホモログとAPETALA3(AP3)ホモログの両者が花弁と雄ずいの分化制御に関わっている.シロイヌナズナでは,MADS遺伝子群SEPALLATA1(SEP1),SEP2,SEP3三重突然変異体の花はがくのみで構成されることから,シロイヌナズナの花弁・雄ずい・心皮の分化制御にはクラスB・クラスC MADS遺伝子群に加えSEP遺伝子群が必要である.本研究の目的はバラの花器官分化と棘形成に関与する遺伝子を特定し,花器官分化と棘形成の分子機構を解明した上で分子育種に繋げることにある.これまでに原種バラ(Rosa rugosa和名ハマナス)からAGホモログと考えられるMASAKO C1およびD1,PIホモログと考えられるMASAKO BP, AP3ホモログと考えられるMASAKO B3およびeuB3を単離し,その一次構造と発現様式を明らかにしてきたが,本年度は以下のような知見が得られた. ハマナスからSEP遺伝子ホモログと考えられるMASAKO S1およびMASAKO S3を単離した.逆転写PCR法を用いた解析からMASAKO S1はハマナスの花弁,雄ずい,雌ずいにおいて発現しており,がく,葉における発現は少ないと考えられた.MASAKO S3はハマナスのがく,花弁,雄ずい,雌ずいにおいて発現しており,葉における発現は少ないものと考えられた.このような発現様式は他植物種のSEPホモログの発現様式と一致している.バラのホメオティック変異体と考えられる'グリーンローズ'(Rosa chinensjs 'viridiflora',がく的器官のみで構成される花をつける)におけるMASAKO S1相当遺伝子およびMASAKO S3相当遺伝子の発現様式はハマナスにおけるMASAKO S1およびMASAKO S3の発現様式と一致していた.このことから,'グリーンローズ'のホメオティック変異はSEPホモログ遺伝子の発現が失われたためではない可能性が考えられた.
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Research Products
(2 results)