2004 Fiscal Year Annual Research Report
チンパンジーにおける生殖生物学的特性の地域変異に関する研究
Project/Area Number |
03J02628
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
藤田 志歩 岐阜大学, 応用生物科学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 生殖生物学 / 内分泌 / 繁殖特性 / 栄養 / 環境要因 / 卵巣 / タンザニア:ギニア / チンパンジー |
Research Abstract |
本研究は、生殖生物学的特性の地域異変に影響を及ぼす要因および変異の程度を明らかにすることを目的とし、タンザニア共和国・マハレ山塊国立公園およびギニア共和国・ボッソウ村に生息する野生チンパンジーの生息環境、活動および生殖生物学的特性を比較する。 本年度は、これまでデータが得られていなかった雨期の季節に限定し、平成16年6月〜8月にボッソウにおいて、また平成16年12月〜平成17年2月にマハレにおいて、それぞれ約80日間のフィールド調査をおこなった。それぞれの地域に生息する野生チンパンジー集団から、月経周期のみられたメス各4個体を選んで対象個体とした。対象個体について、1日1個体を終日追跡し、活動時間配分および食物内容を記録した。同時に、GPSを用いて、個体の土地利用および移動距離と速度を記録した。また、内分泌動態を調べるための材料として、糞および尿を採集した。これらのサンプルは日本へ持ち帰り、生殖関連ホルモン(エストロゲンおよびプロゲステロン)の濃度を測定する予定である。 来年度はこれらのデータを分析し、チンパンジーの活動と生息地環境との関係、チンパンジーの活動と栄養状態との関係、およびチンパンジー卵巣機能について、両地域間で比較する予定である。そして、どのような環境条件がチンパンジーの生殖能力を制約するのか、また、どのようなメカニズムで環境条件がチンパンジーの卵巣機能に影響をおよぼすのかについて明らかにし、学術論文としてまとめる予定である。
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Research Products
(4 results)