2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J02681
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
木下 大輔 国立天文台, 光学赤外線天文学・観測システム研究系, 特別研究員(PD)
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Keywords | 太陽系外縁部 / 微惑星 / 惑星系形成 / 彗星 |
Research Abstract |
1992年8月に太陽系外縁部に初めての小天体が発見されて以来、これまでに900個以上のエッジワース・カイパーベルト天体が海王星軌道の外側に存在することが明らかになった。これらの天体は太陽による加熱の影響の少ない始源的な天体であり、太陽系の起源と進化を明らかにするうえで鍵になる天体である。本研究では2002年10月にアメリカ合衆国ハワイ州のマウナケア山頂に設置されている国立天文台の口径8.2メートルのすばる絵望遠鏡とその主焦点カメラを用いた不変面付近の探査により、直径200キロメートル以下のサイズの小さなエッジワース・カイパーベルト天体のサイズ分布は、それよりも大きなサイズの天体のサイズ分布とは異なる冪乗則で説明されることが示された。これを受けて、2003年11月にすばる望遠鏡とその主焦点カメラを用い、SDSS g'及r'の二つのフィルターを用いた探査を行った。この観測の目的はサイズ分布の異なる領域で、天体表層の反射特性が異なるかどうかを調べることである。二夜の観測はおおむね天候に恵まれ、質の良いデータを得ることができた。このデータは現在、解析中である。また、台湾の國立中央大學にて台湾・アメリカ掩蔽探査計画(TAOS, Taiwanese American Occultation Survey)と協力し、エッジワース・カイパーベルト天体の掩蔽探査の準備として、小惑星帯の小惑星による掩蔽現象の観測を行った。また、掩蔽探査の際に必要となる掩蔽の検出アルゴリズムを検討し、四台の望遠鏡から得られる四つの光度曲線を順位付け法により解析し、掩蔽現象を探し出す手法を採用した。解析プログラムを作成し、一時的に減光する模擬データに適用し、試験を繰り返した。この掩蔽探査計画によりさらに小さいサイズ領域のエッジワース・カイパーベルト天体のサイズ分布が明らかになると期待される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Kawakita: "Saturated Hydrocarbons in Comet 153P/Ikeya-Zhang : Ethane, Methane, and Monodeuterio-Methane"Astrophysical Journal. 590,1. 573 (2003)
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[Publications] Yoshida: "Size and Spatial Distribution of Sub-km Main-Belt Asteroids"Publication of the Astronomical Society of Japan. 55,3. 701 (2003)
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[Publications] Honda: "The 10 Micron Spectra of Comet C/2002 V1 (NEAT) and C/2001 RX14(LINEAR)"Astrophysical Journal. 601,1. 577 (2003)
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[Publications] Funato: "The formation of Kuiper-belt binaries through exchange reaction"Nature. 427,6974. 518 (2004)
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[Publications] Kinoshita: "Basic Characteristics of CCD Camera AP8 at Lulin Observatory"Annual Report of Lulin Observatory. 2003. 30 (2004)