2003 Fiscal Year Annual Research Report
次世代レーザ干渉計型重力波検出器の低周波における極限感度の追求
Project/Area Number |
03J02699
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
沼田 健司 国立天文台, 位置天文・天体力学研究系, 特別研究員(PD)
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Keywords | 干渉計型重力波検出器 / 熱雑音 / 低周波 / ねじれ振り子 / スペース重力波検出器 / 国際情報交換 / アメリカ |
Research Abstract |
現在、国立天文台三鷹キャンパスで、干渉計型重力波検出器TAMA300の開発が進められている。TAMA300は重力波に対する感度を着実に向上してきている。しかし、現実的な頻度で重力波を検出するためには、低周波における感度の向上が不可欠である。それは、興味のある重力波源が低周波に集中しているから、またそのような重力波源が豊富にあるからである。研究代表者は、次世代TAMA300をはじめとする将来の重力波検出器の低周波における極限感度の達成のための研究を行っている。 現世代の干渉計において感度や検出頻度を制限するのは、鏡の熱雑音である。研究代表者は、東京大学地下で開発した短基線長干渉計により、これを世界で始めて世界の重力波検出器に先駆けて測定した。この結果は物理にとっても重要なものであり、Phys.Rev.Lett.誌に掲載された。この装置はさらに低周波での測定を行うために、改良を行っている。改良が終了すれば、低周波から高周波まで原理的雑音で感度が制限される、世界で唯一のプロトタイプ干渉計となるはずである。 また、低周波に特化し、、振り子の熱雑音を測定するための装置を製作している。この研究のため、究極の超低周波重力波検出器であるスペース重力波検出器を計画している、NASA Goddard Space Flight Centerと協力を行い、準備を進めている。振り子の熱雑音の低減のための超低機械損失溶融石英ファイバの製造装置、低周波での安定なセンサの光源となるヨウ素安定化レーザ、初期試験用の低周波振り子などを製作中である。スペース重力波実験と地上実験の間のこの協力により、低周波における重力波の観測という目標に向かって技術や情報の交換が行われている。
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Research Products
(1 results)