2004 Fiscal Year Annual Research Report
筋ジストロフィーの中枢神経障害:ジストロフィン複合体と相互作用する分子の解明
Project/Area Number |
03J02760
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
横田 俊文 国立精神・神経センター, 遺伝子疾患治療研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | α1-syntrophin / ジストロフィン / mdx mice / DMD / アクアポリン-4 / Two-hybrid System / 膜画分 / Differential 2D-PAGE |
Research Abstract |
デュシェンヌ型筋ジストロフィーの原因遺伝子産物であるジストロフィンは、筋再生や神経筋接合部形成に関与するα1-シントロフィンなど多くのタンパク質とともにジストロフィン複合体を構成することが知られている(Hosaka Y^*, Yokota T^* et al.,J Cell Biol. 2002.158,1097-1107,^*equally contributed)。α1-シントロフィンはPDZドメインを持ち、これまでに水チャネルであるアクアポリン-4との相互作用が見出されているが(Yokota T et al.,Proc Japan Acad. 2000.76B,22-27)、脳において機能分子と相互作用し同疾患の中枢神経障害に関与している可能性がある。そこで、研究代表者らは同分子と相互作用する可能性がある分子を検索した。酵母を用いたTwo-hybrid System、α1-シントロフィン欠損マウスの膜画分を用いたDifferential 2D-PAGE、及びプロテオーム解析などを駆使し相互作用分子の検索を行ったところ、α1-シントロフィンがABCトランスポーターの一つであるABCA1と相互作用し同分子の活性を制御していることを見出し、論文を出版した(J Biol Chem.2004,279:15091-15095)。さらに、α1-シントロフィンがカテニン関連分子のACRP1と相互作用すること、及び同分子が骨格筋形質膜に強く発現していることを見出し、同分子の機能解析を進めている(未発表)。加えて、α1-シントロフィンと相互作用する神経型の一酸化窒素合成酵素(nNOS)の役割について、ジストロフィン欠損mdxマウスなどをモデル動物として睾丸挙筋における血管拡張機能の解析を行ったところ、DMDにおいて見られる血管拡張障害にnNOSの欠損が大きく関与していることが示された。そこで、本所見のさらなる分子メカニズムや機能の解析を進めている(未発表)。
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Research Products
(2 results)