2004 Fiscal Year Annual Research Report
言語変化モデルとしての彝語研究-現代方言と文献言語の研究を通して-
Project/Area Number |
03J02770
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
原田 一枝 (岩佐 一枝) 神戸市外国語大学, 外国語学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 彝語 / 言語学 / 文献学 / チベット・ビルマ言語学 / 文学 |
Research Abstract |
1.彝語文献資料の分析・解読 已に収集した彝語文献のうち、パリのBibliotheque Interuniversitaire des Langues Orientales所蔵の文献-CHI.YI.26[Ms.CHI.80]-について分析、並びに解読を試みた。その詳細は以下の通り。 (1)当文献の彝文字・語彙のデータベース化 当彝語文献の全ての彝文宇、語彙をデータベース化し、語彙目録を作成した。現段階では、彝文字の語意、総画数、推定音価、この文献において彝文字の音転写に用いられている漢字、対応する現代方言の語彙形式とその音価といった、多方面からの検索が可能である。また、今後の研究や同一方言の文献解読作業の簡便化を図るため、出来得る限り異体字も収録し、熟語及びその出典(資料がある場合)も明記した。 (2)当彝語文献の解読 解読は、上述の文字のデータベース化作業と平行して行った。この文献に記録されている言語と対応する現代方言の辞書や、古語に関する辞書及び資料のたぐいはほぼ皆無であったため、解読作業は困難であったが、現在大半の解読は完了した。 以上の研究成果については、2006年の11th Seminar of the International Association for Tibetan Studies(ドイツ・ボンでの開催が決定)にて発表の予定である。(11研究発表の欄を参照。) 2.新たな彝語文献資料の収集・整理 2月にイギリス・大英図書館にて、2巻の彝語文献資料を収集した。これらは彝語研究だけでなく、チベット・ビルマ言語学の発展にも重要な意味を持つ資料であるが、これまで解読は勿論、初歩的な分析さえなされていなかった。現在は、これら資料に記録されている彝語方言の特定が終わり、彝文字の整理に着手している。今後、文字や語彙をデータベース化し、解読作業を進めて行く。
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Research Products
(3 results)