2003 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエにおけるエピジェネティックな遺伝子発現維持の機構
Project/Area Number |
03J02801
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
霜島 司 国立遺伝学研究所, 形質遺伝研究部門・日本学術振興会(PD)特別研究員
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Keywords | クロマチン / エピジェネティクス / 転写因子 / 体節形成 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
これまでのFLAG-GAGA因子と相互作用するdFACTの機能解析の結果を論文にまとめ投稿し、昨年6月にGenes & Development誌に掲載された。この論文において、クロマチン鋳型からの転写伸長促進因子として知られていたFACTが、GAGA因子と共にHox遺伝子のエピジェネティックな発現維持制御にも関与することを報告している。 FLAG-GAGA因子と相互作用するタンパク質としてdFACTを精製したが、予想されたISWIや他のトライソラックス群遺伝子産物は含まれていなかった。そこで生理的な塩濃度の条件下で精製を行ったところ、dFACT以外に多数の相互作用すると考えられるタンパク質が精製された。さらにFLAGタグのついたdFACTサブユニットを発現するトランスジェニックショウジョウバエを作成し、先に述べた同様の方法で相互作用すると考えられるタンパク質を精製した。精製されたタンパク質のペプチドシークエンスの結果から、GAGA因子は複数ののクロマチンリモデリング因子と相互作用していることが示唆された。このことからGAGA因子は複数のリモデリング因子を使い分け、遺伝子の発現制御を行っていることが考えられる。現在これらの複合体について、生化学的、遺伝学的手法を用いてエピジェネティックな発現維持機構の解析を行っている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shimojima T.et al.: "Drosophila FACT contributes to Hox gene expression through physical and functional interactions with GAGA factor"Genes & Development. 17. 1605-1616 (2003)
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[Publications] 霜島司, 広瀬進: "ショウジョウバエFACTはGAGA因子と相互作用してHox遺伝子の発現制御に関与する"生物物理. 253(未定). (2004)