2004 Fiscal Year Annual Research Report
異なる環境条件下における果実の抗酸化成分の動態とそのメカニズムの解明
Project/Area Number |
03J02844
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Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
圖師 一文 熊本県立大学, 環境共生学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | トマト / イチゴ / 塩ストレス / 坑酸化成分 / アスコルビン酸 / アントシアニン / エラグ酸 / γ-アミノ酪酸 |
Research Abstract |
本年度は,異なる環境条件化下おける果実の坑酸化成分の動態とそのメカニズムを明らかにするために,in vitroで培養したトマト果実における光強度がアスコルビン酸含量に与える影響,塩ストレス下で栽培したトマト果実のアスコルビン酸含量の動態およびトマト果実におけるアスコルビン酸含量の変化と酸化ストレスとの関係を調べた.また,栽培温度がイチゴ果実の坑酸化成分(アントシアニン,アスコルビン酸およびエラグ酸)に与える影響について検討した.さらに,近年ヒトの高血圧抑制作用を持つγ-アミノ酪酸(GABA)が注目されていることから,栽培環境によるトマト果実のGABA含量の増加の可能性を調べた.得られた結果の概要は以下の通りである. 1.In vitroで培養したトマト果実のアスコルビン酸含量は,培養時の光強度の低下に伴い低下した.このことから,果実のアスコルビン酸含量は光強度に強く依存することが明らかになった. 2.塩ストレス下で栽培したトマト果実のアスコルビン酸含量の変化は,品種と栽培時期に依存し,塩ストレスによって上昇あるいは低下した.また,塩ストレス下におけるアスコルビン酸含量の変化は,果実の酸化ストレスに対する防御反応と関連し,塩ストレスによる糖含量の増加とは関連しないことが明らかになった. 3.イチゴ果実は,高温で栽培することによってアントシアニン含量が増加すること,アスコルビン酸とエラグ酸も栽培温度の影響を受けることが明らかになった. 4.トマト果実のGABA含量は,栽培時期と塩ストレスによって変化し,最も少ないときの最大10倍まで増加することが明らかになった.
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Research Products
(5 results)