2003 Fiscal Year Annual Research Report
単純特異点とアフィンルート系の観点によるパンルベ方程式の研究
Project/Area Number |
03J03083
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
寺島 ひとみ 神戸大学, 大学院・自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | パンルヴェ方程式 / 単純特異点 |
Research Abstract |
1.パンルヴェ方程式の初期値空間と単純特異点に関する研究実績: パンルヴェII, IV, V型方程式の初期値空間族は,それぞれA_1,A_2,A_3型の単純特異点のversal-deformationの特異点同時解消空間をザリスキ開集合として含んでいる。これらの特異点同時解消空間をBrieskorn-Slodowy理論を用いて再構成する事により、特異点同時解消空間への自然な有限ワイル群の作用が初期値空間族へのアフィンワイル群の作用(ベックルント変換)をある有限ワイル群に制限したものと一致する事、また初期値空間族の上に一意に定まるシンプレクティック形式と特異点同時解消空間上の原始形式とが一致する事が分かった。 2.線型方程式のモノドロミーの空間に関する研究実績: パンルヴェVI型方程式(対称性はアフィンD_4型)は線型方程式のモノドロミー保存変形として得られる。また線型方程式のモノドロミーの空間は3次曲面族で表される事が知られている。モノドロミー写像について考察する事により、3次曲面族の底空間は,パンルヴェ方程式のパラメータ空間MへのW(A^^~^<【symmetry】4>_1)(W(D^^~_4)の部分群)の作用による商空間M/W(A^^~^<【symmetry】4>_1)であることが分かった.さらに,この3次曲面族は,M/W(D^^~_4)上のある3次曲面族を,全射M/W(A^^~^<【symmetry】4>_1)→M/W(D^^~_4)によって引き戻したものであることを示した.また、不変式環の生成元の計算によって,modifiedケイレイの3次曲面族をD_4型部分ワイル群の作用で割ったものが,モノドロミーの空間と同型である事が分かった.
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