2005 Fiscal Year Annual Research Report
複数の秩序パラメータが共存する材料における光学特性の研究
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03J03173
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Research Fellow |
池田 勝佳 独立行政法人理化学研究所, 河田ナノフォトニクス研究室, 基礎科学特別研究員
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Keywords | 光誘起現象 / キラリティー / 協同効果 / 固体反応 |
Research Abstract |
ビタミンB12のモデル化合物として知られているコバロキシム錯体は、結晶状態においても光誘起反応を起こすことが知られている。特にキラリティーが光変化するような反応については他に例がなく、なかでもキラリティーが反転する(S-エトキシカルボニルエチル)(S-シクロヘキシルエチルアミン)コバロキシム錯体の結晶はその反転メカニズムに興味が持たれる。結晶相CD測定の結果、結晶内の反応空間の低対称性がキラリティー反転を引き起こす原因となっていることが明らかになった。また、反応過程で隣接分子間の協同的な振る舞いを示唆する結果が得られた。分子間の協同効果と結晶構造との関係をさらに詳しく調べるために、各種振動分光も試みた。特に、ダイナミクスをより詳細に検討するためにブロードなフェムト秒IRパルスと挟帯域なピコ秒可視パルスを用いるマルチプレックス型SFG測定を試み、単結晶試料におけるキラリティー観察とその光誘起変化の観察にも成功した。光反応性の結晶の正確なスペクトルを高強度のパルス光源で測定する上で測定時間を出来るだけ短くすることは極めて重要であり、波長走引することなくスペクトルが得られる本手法は威力を発揮した。測定したスペクトルは分子軌道計算の結果と良い一致を示した。さらに、これまでのバルク結晶測定を顕微分光および近接場超高解像分光へと発展させるための装置開発を行った。2次元マッピング時間分解測定を行うことが出来れば、さまざまな光誘起現象のダイナミクスを調べる上で重要な知見が得られると期待される。
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Research Products
(2 results)