2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J03215
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 拓 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | トーリック多様体 / 相対的森理論 / 野性的超曲面束 / ファノ多様体 / 有理二重点 / ファノ・インデックス |
Research Abstract |
相対的なトーリック森理論の組み合わせ論的な記述を扱い,一応の完成を見た.原始的関係という概念をもちいることより,非常に綺麗な形で記述されている.証明法も絶対版に帰着させる手法を用いており,非常にスマートに出来たと思う.また、応用として、藤田予想の相対版に関する結果を得た. ピカール数の小さい滑らかな射影的トーリック多様体,又は,低次元の滑らかなトーリック・ファノ多様体上に野性的超曲面束を構成した.正標数特有の現象であり,特に本研究では,自動的に全て標数2の例となっている.このような例は僅かしか知られていない.野性的超曲面束の記述,及び,野性的超曲面束が入っている空間を記述することは非常に煩雑な計算を必要とし,部分的にコンピューターを用いて研究を行った.トーリック多様体の端射線を見て構成を行っているのであるが,今回の構成に留まらず,更なる発展があると思われる. 三次元の滑らかなトーリック多様体から三次元アファイン空間への同変的な双有理射影的射であって,相対的標準因子が反ネフであるようなものの分類を完成させた.このような対象は環論とも関係があり興味深い.ファノ多様体の局所版とも言えるが、状況は違い,分類結果は無限となるが,規則的に射が登場し,非常に見易くなっている.また,ニュートン図形を考えると,そのような射に対して有理二重点を対応させることができ,その対応の仕方も不思議で興味深い.特に,そのような射の高次元版を考えることにより,高次元で有理二重点のアナロジーを考えることの一つの意味を与えたように思う. 5次元の滑らかなトーリック・ファノ多様体であって,ファノ・インデックスが2であるようなものの分類を完成させた.ファノ・インデックスが2であるような,ピカール数が2以上の滑らかな一般のファノ多様体の分類は5次元でのみ未解決であり,今回の分類はその研究の先駆けとなるものである.5次元の滑らかなトーリック・ファノ多様体は未だ分類されていないが,800以上存在することがわかっていて,そのうちでファノ・インデックスが2となるようなものはたったの10個である.ファノ・インデックスが2以上のファノ多様体の特異性が伺い知れる.
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Research Products
(2 results)