2003 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッドコントローラにおける論理ダイナミクスの設計
Project/Area Number |
03J03305
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩谷 靖 東京工業大学, 情報理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 制御 / ハイブリッドシステム / 論理 / 安定性 / 切り替えコントローラ |
Research Abstract |
本年度は,論理ダイナミクスの設計も含めたハイブリッドコントローラの設計手法確立の第一ステップとして,以下の特徴を持つシステムを対象に研究を行った. 1,離散ダイナミクス:状態変数に対してアファインな不等式条件のもとに離散変数が変化する. 2,連続ダイナミクス:線形特性を持つダイナミクス. 本年度で扱ったシステムは区分的線形システムと呼ばれている.区分的線形システムは,離散・連続ダイナミクスともに単純な形式をしており,離散ダイナミクスの解析に適している. 本年度は,制御目標を安定化として,離散ダイナミクスと区分的線形システムの安定性の関係を解析した.具体的には,離散ダイナミクスの次数(モードの数)と連続ダイナミクスの次数ごとに,以下の事項を明らかにした. 1,2モード2次のシステムの場合:このとき、切替平面は安定性に影響を与えないことを明らかにした.すなわち,システムの安定性は,離散ダイナミクスの選択とは無関係であり,連続ダイナミクスの選択のみで決定する.よってこの場合,ハイブリッドコントローラは,従来の連続ダイナミクスに対するコントローラ設計方法を適用することで設計できる. 2,2モード高次のシステムの場合:このとき,安定性のある必要条件とある十分条件が,制御理論における可検出性の概念によって特徴付けられることを明らかにした.よってこの場合,論理ダイナミクスの設計は,ある可検出性に関する必要条件を満足する。ように選ばなければならない.またさらに得られた十分条件を満足するように論理ダイナミクスを設計すれば,システムの安定性を保証することができる. 3,多モード2次の場合:このとき,安定性の必要十分条件が,サブシステムに対する固有値の条件と可観測性に関する条件で特徴付けられることを明らかにした.これも,論理ダイナミクス設計の指針となるものである.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 岩谷靖, 原辰次: "固有値に着目した2モード区分的線形システムの安定解析"計測自動制御学会論文集. 39巻・11号. 1048-1053 (2003)
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[Publications] 岩谷靖, 石川将人, 原辰次: "三叉ヘビ型移動ロボットの運動解析と制御"計測自動制御学会論文集. 39巻・12号. 1159-1161 (2003)
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[Publications] 岩谷靖, 原辰次: "固有値に着目した2モード区分的線形システムの安定解析"第三回制御部門大会予稿集. 261-264 (2003)
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[Publications] 岩谷靖, 原辰次: "固有値に着目した多モード2次区分的線形システムの安定解析"第46回自動制御連合講演会資料. 569-572 (2003)