2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J03319
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 健 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | 合成梁 / 塑性変形能力 / 鋼構造骨組 / 終局耐震性評価 / 継手効率 / 実大実験 / 破断 / 地震応答解析 |
Research Abstract |
研究課題である合成梁の変形能力を調べるため,4体の実大部分架構試験体(片持ち梁形式)を用いた破壊実験を実施した。この実験では,柱梁接合部の継手効率(モーメント伝達能力)を実験変数として,その変形能力に及ぼす影響に着目した。その結果,柱に角形鋼管を用いたり,梁ウェブにスカラップによる断面欠損があることなどで継手効率が低下している場合,合成梁の変形能力が低下することを明らかにした。特に,日本の中層鋼構造骨組で一般的な角形鋼管を柱に用いることについて検討した結果,H形鋼を柱とすれば合成梁の塑性中立軸位置がウェブ内に存在する場合でも,角形鋼管柱を用いた場合には上フランジ位置まで上昇し,下フランジのひずみが増大し易くなることを明らかにした。これは,梁のウェブが接合される角形鋼管柱のスキンプレートが面外変形し易いことにより,梁ウェブ部分で抵抗力が殆ど発揮されず,下フランジと床スラブだけでモーメント伝達機構を形成する形になるためである。続いて,実験結果を詳細に検証し,継手効率の低下が変形能力を低下させるメカニズムを解明し,合成梁の変形能力を評価する手法を考案した。以上の成果をまとめて論文を執筆し,日本建築学会構造系論文集に投稿し,採用され,2004年11月号に掲載された。また,科研費補助金により購入したコンピューターを用いて,数値解析プログラムを作成し,実験では再現できなかった通常の骨組内における合成梁の挙動を追跡し,片持ち梁形式の実験結果に比較して,骨組内で考える場合は3割ほどの変形能力の割り増しが期待できることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)