2003 Fiscal Year Annual Research Report
超高速長距離伝送を可能とする高歪GaInAs量子井戸を用いた面発光レーザ
Project/Area Number |
03J03335
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
近藤 崇 東京工業大学, 精密工学研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 面発光レーザ / 高歪 / 量子井戸 / MOCVD / GaInAs |
Research Abstract |
光LAN,都市間光通信,光インターコネクトなどの光通信では数km程度の中間距離で数Gbps以上の高速伝送が必要とされている,また,広い温度範囲での動作,戻り光に対する耐性も要求されている.そこで,本研究では高歪GaInAs量子井戸を用いた面発光レーザの実現を目指している.今年度は高歪GaInAs量子井戸を用いた面発光レーザの製作を行い,その伝送特性を調べた. 面発光レーザの成長には,有機金属気相成長法(MOCVD法)を用いた.GaInAs量子井戸は高い歪を持つので,通常よりも低い温度(570℃)で成長を行っている.面発光レーザの発振波長は1.1μm,単一モード光出力は2mW以上であり,最高発振温度は140℃であった. 面発光レーザを用いて伝送実験を行った.面発光レーザに高周波電気信号で直接変調を行い,一般的に用いられている単一モードファイバ内を5,10km伝送し,光受光素子を用いて受光した.その結果,変調速度2.5Gb/sでは,ヒートシンクを用いなくとも,温度85℃の高温でも伝送が可能であった.85℃以上は測定をまだ行っていないが,光出力などから,さらに高い温度でも伝送が可能であると考えられる.また,測定した距離の範囲では分散による光パルスの劣化は見られなかった.これはこの波長帯がファイバ内で負の分散を持っためである.変調速度10Gb/sでは温度75℃まで伝送が可能であった.85℃以上では,周波数応答が遅くなってしまうため伝送はできなかった。今後は高温での周波数応答の改善を試みる. 以上のように,高歪GaInAs/GaAs面発光レーザが温度制御を必要とせず,高速長距離伝送が可能である事を示した.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Takashi Kondo, Masakazu Arai, Akihiro Matsutani, Tomoyuki Miyamotom Fumio Koyama: "Isolator-free 10 Gb/s single mode fibre data transmission using 1.1 μm GaInAs/GaAs vertical cavity surface emitting laser"Electronics Letters. Vol.40No.1. 65-66 (2004)