2004 Fiscal Year Annual Research Report
軟弱地盤での地盤-基礎-構造物の非線形動的相互作用を考慮した基礎の耐震性能評価
Project/Area Number |
03J03345
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 比呂子 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 杭基礎 / 動的相互作用 / 耐震性能 / 液状化 / 地盤変形 / 応答変位法 |
Research Abstract |
杭の変形性能および耐力の評価方法を確立し,建物の持つ耐震性能を明らかにするため,非液状化乾燥地盤,液状化飽和地盤における杭-構造物系の振動台実験結果をもとに,地盤-杭-構造物系動的相互作用が杭応力に与える影響を検討した.さらに,実験結果の検討および前年度の成果に基づき,応答変位法を用いて実験における杭の変形,応力を算定し,以下のことを示した. 1)非液状化乾燥地盤では,表層地盤が構造物慣性力に抵抗することによって杭のせん断力は深度とともに急激に小さくなる.その結果,杭-構造物系に作用する力の釣り合いの中心が基礎下端(杭頭)にあると考えられる.したがって,杭に生じる変動軸力は基礎下端を中心とした構造物慣性力による転倒モーメントが支配的になる. 2)液状化飽和地盤では,表層地盤の剛性が低下し構造物慣性力に対し抵抗できなくなること,土圧が構造物慣性力に対し加力側に作用する可能性があることから杭のせん断力は深部まで低減されることなく伝達される.その結果,杭構造物系に作用する力の釣り合いの中心は液状化層下端付近になると考えられる.したがって,杭に生じる変動軸力は液状下層下端を中心とした転倒モーメントを考慮する必要がある.このような力の釣り合いの変化が液状化地盤の曲げモーメント,せん断力だけでなく変動軸力の増大を引き起こす要因である. 3)構造物および地盤からの力の作用の組み合わせを考慮した応答変位法は,液状化発生の有無,上部構造物固有周期,基礎根入れの有無などに因らず杭応力を再現でき,算定手法の妥当性を示している.
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Research Products
(2 results)