2003 Fiscal Year Annual Research Report
3次元動的格子モデルによる地震力を受ける鉄筋コンクリート構造物の非線形解析
Project/Area Number |
03J03377
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三木 朋広 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 3次元格子モデル / 3次元解析 / 耐震性能 / 鉄筋コンクリート / 鉄筋座屈 / せん断耐荷機構 / アーチ機構 / トラス機構 |
Research Abstract |
本研究では、3次元非線形解析による鉄筋コンクリート(RC)構造物の地震応答予測に関する検討を行った。そこで、RC部材のせん断耐荷機構を妥当な精度で予測することができる、格子モデルに着目した。 はじめに、3次元格子モデルの基礎となる2次元格子モデルについて、曲げ破壊型、せん断破壊型のRC橋脚の挙動を精度良く予測できることを確認した。この2次元格子モデルにおける基本コンセプトを踏襲することで、3次元モデルへの拡張を試みた。3次元格子モデルは、RC部材のせん断耐荷機構をトラス機構とアーチ機構の重合わせで表現した。アーチ機構は、部材内部に形成された圧縮ストラットをコンクリートのアーチ部材によってモデル化し、さらにトラス機構は、3次元空間を直交座標系内の3つの平面に区分し、それぞれの面内にRC構成則を適用した。 新たに開発した3次元格子モデルによって、2方向同時曲げ載荷、単調純ねじり、および正負交番曲げとねじりの複合荷重を受けるRC部材に対して、3次元的な変形挙動の予測に対しても本手法は有効であることを確認し、大変形領域では鉄筋座屈挙動が全体挙動に対して支配的となることを明らかにした。 さらに、RC橋脚の水平2方向加振振動台実験を対象とした解析を行い、RC橋脚の耐力、変形性能、曲げとねじりの複合作用を精度良く予測できることを確認した。また、3方向地震動を用いた地震応答解析を実施し、RC橋脚の耐震性能を評価するとともに、加速度波形が地震応答に与える影響を解析的に見出した。 最後に、兵庫県南部地震において被害を受けたRC高架橋を対象とした地震応答解析を行い、柱のせん断破壊、柱基部における鉄筋座屈など、実際に見られた被害を3次元格子モデル解析により再現できることを示した。 以上の内容を、土木学会論文集、およびConcrete Library International等で既に発表している。
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[Publications] 三木朋広, 二羽淳一郎, Lertsamattiyakul, M.: "動的格子モデル解析による鉄筋コンクリート橋脚の耐震性能の評価"土木学会論文集. No.704V-55. 151-161 (2002)
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[Publications] 三木朋広, 二羽淳一郎, Lertsamattiyakul, M.: "鉄筋座屈を考慮した鉄筋コンクリート橋脚の地震時応答解析"土木学会論文集. No.732V-59. 225-239 (2003)
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[Publications] Miki, T., Niwa, J., Lertsamattiyakul, M.: "Numerical Evaluation of Seismic Performance of Reinforced Concrete Bridge Piers Using Dynamic Lattice Model"Concrete Library International, JSCE. Vol.41. 49-64 (2003)
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[Publications] Miki, T., Lertsamattiyakul, M., Niwa, J.: "Numerical Evaluation for Flexural Deformation of Reinforced Concrete Columns Subjected to Axial and Flexural Loads Using Lattice Model"Transactions of the Japan Concrete Institute. Vol.23. 231-238 (2002)
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[Publications] 三木朋広, Lertsamattiyakul, M., 二羽淳一郎: "鉄筋座屈を考慮した格子モデルによる橋脚の静的正負交番解析"コンクリート工学年次論文集. Vol.24No.2. 979-984 (2002)
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[Publications] 三木朋広, 二羽淳一郎: "軸方向鉄筋の抜出しを考慮した格子モデル解析によるRC橋脚の非線形履歴挙動の予測"コンクリート工学年次論文集. Vol.25No.2. 1183-1188 (2003)