2004 Fiscal Year Annual Research Report
弾性表面波モータによるサブナノステップトラッキング型ステージの研究
Project/Area Number |
03J03515
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
重松 隆史 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 小型アクチュエータ / 2軸偏向 / マイクロエラー / 超音波モータ / 摩擦駆動 / トライボロジー / コンタクトメカニクス / 弾性表面波 |
Research Abstract |
従来用いてきた10MHzの駆動周波数に変え,10倍の100MHzの高周波で駆動を行うことで,3x12.5x2.5mmの小型化弾性表面波モータを実現した.スライダの突起をマイクロレンズ状とすることで,低予圧で高い接触圧力を実現し駆動を可能とした.ミリメートルサイズの小型アクチュエータながら,0.3m/sの高速度および13mNの高推力が4.3mmのストロークにわたり可能であった.100MHzの駆動周波数は弾性表面波モータ,また超音波モータ一般の現在の最高駆動周波数である. 弾性表面波モータの利点を活用した,20度以上の大偏向角を実現する2軸偏向マイクロミラーを開発した.このモータは高速動作が可能であるため,20ms間(10ms間の駆動時間と10ms間のミラー構造の振動減衰)という短時間で20度の偏向角の回転・保持を行うことが可能であった.また摩擦保持力により,ミラー偏向角の保持のための電力消費はなかった.またこのモータは最小サブナノメートルオーダの高分解能動作が可能であるため,ミラー偏向角の分解能は0.003度と非常に高分解能であった.この2軸偏向ミラーは10の4乗オーダのダイナミックレンジを有することを示した. 弾性表面波モータの摩擦駆動のダイナミクスを解明するため,摩擦駆動面に2つのレーザドップラー振動計のレーザ光を入射し,垂直・水平方向にどのような変形が生じているのかを測定した.ステータに透明材料を使用し,不透明材料で構成されるその他の超音波モータでは不可能であった摩擦駆動面の直接観測を可能とした.垂直・水平方向の変形は実測した変位ベクトルの合成で求めた.その結果,水平方向・垂直方向の振動は,駆動に用いた波の振幅と相関を示した.
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