2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J03628
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
坂尻 彰宏 大阪大学, 大学院・文学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 内陸アジア / 出土文書史料 / オアシス社会 / 敦煌文献 / 帳簿文書 / 文書書式 / 文書処理過程 / 文書行政 |
Research Abstract |
本研究は,内陸アジアで発見された文書史料を用いてオアシス地域の社会構造を解明することを目的としている.研究の主な対象は,文書史料が大量に発見されている東トルキスタン・河西回廊のオアシス地域,とりわけ9-10世紀の敦煌を中心とするオアシス地域である.以下に本年度の具体的な研究活動・成果を示す. 従来,当該時代の敦煌オアシス地域の研究は,20世紀初頭に発見された敦煌文献中の文書史料を分析することよって大きく発展してきた.しかし,近年の文書史料の整理に伴って文書の再発見や新発見が相次ぎ,新史料の調査・分析と既知の古文書の再検討とが大きな課題となっている.そこで本年度も欧州の所蔵機関における原物調査を予定していた.しかし,あいにく本年度は当該諸機関で大規模な展示会や集中的な修復保存作業が行われていたため,研究に必要な文書を閲覧・調査することが非常に困難であった.このため,本年度は海外調査を断念し,国内における資料収集と情報整理・分析とに研究作業を集中した. 調査の対象としては,9-10世紀の敦煌文書のうち帳簿文書に焦点をしぼった.これらの帳簿文書はデータが豊富な反面,書式・機能・文書処理過程が十分検討されておらず,史料群としての包括的な整理・分析が待たれていた.マイクロフィルムや画像データベースによって集中的に史料を収集し,80件あまりの文書をまとめて分析することにより,その書式や機能を抽出することができた.さらに他の財務文書との会計事務作業上の密接な関係を明らかにすることができた. また,2003年度に我が国で発表された内陸アジア史関係の文献を全て読み込み,近十年間の史料状況の変化をもあわせて,現在の内陸アジア史研究の動向と今後の見通しとについて,学術雑誌上に論説を発表した.
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Research Products
(1 results)