2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J03679
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡 定紀 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 形態知覚 / 視覚誘発電位 / 物体認識 |
Research Abstract |
本研究は形態知覚において局所的特徴が一つのまとまりとして認識される過程を、心理物理学的・神経心理学・計算論的手法により研究することを目的としている。研究計画として、ある視覚刺激を呈示したときの脳内活動を、EEG等の装置を用いて測定することを掲げた。今年度の研究対象は、局所的構造、大域的構造を統一的に操作して研究するのにより適した刺激、ランダムドット(チェック)刺激を用いることであった。これによりテクスチャ処理から対称性処理への中間過程をより詳細に調べることが可能となった。局所的統計量として隣接する4チェックを、大域的統計量として左右対称図形をチェックで作成し、その脳内活動の差異をEEGで計測した。その結果、局所的構造と大域的構造の差異が提示パターンの時間・空間周波数特性の差として現れた。前者の方がチェックサイズ、時間周波数ともより高解像度において反応ピークが見られた。ランダムドット刺激を用いて大域的構造を調べた実験結果は、同心円への統合過程の脳内活動が、放射状や平行線に比べて大きくなること、またその応答潜時は、刺激呈示後180msecから230msecの間に行われていると考えられる。また同心円応答は、反応後1-2秒において減衰することを、知覚現象によく見られる順応過程と対応する事などをまとめて、第3回アジア視覚会議(The Third Asian Conference on Vision)で発表した。上記のランダムチェック刺激とランダムドット刺激を用いた両実験の結果は、ともに時間周波数特性が非常に類似していることから、同様の大局的構造を抽出する脳内過程を選択的に刺激したと考えることができる。よって本年度は昨年度の研究結果をより統一的な視点で支持する事ができた。
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Research Products
(1 results)