2003 Fiscal Year Annual Research Report
D粒子と反D粒子の多体系を記述する行列模型による超弦理論の再構成
Project/Area Number |
03J03698
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
百武 慶文 大阪大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 素粒子論 / 超弦理論 / Dブレイン |
Research Abstract |
ここ数年、超弦理論は双対性を軸に発展してきた。双対性はある物理状態を様々な視点から考察できるという点で非常に重要である。これと類似した状況はDブレインを導入した場合にも当てはまり、私は特に空間2次元に拡がるD2膜とD粒子の束縛状態についての研究を行った。この状態はD2膜の有効理論の立場からもD粒子の多体系の理論からも解析でき、D膜の性質を理解する上で重要であると考えている。 1.私は、ファジー球、面、シリンダーの周りでのD粒子の有効作用の揺らぎを調べて、それがどのような構造になるかを調べた。そこで得られた結論は、連続極限においては有効理論はU(1)ゲージ場とスカラー場のBorn-Infeld型の作用になるというものである。このU(1)ゲージ対称性はファジー幾何がもつ軸対称性に起因している。得られたBorn-Infeld型の作用は、磁束のあるD2膜の作用に同様な揺らぎを与えて得られるものと類似している。しかし完全に一致するのはD2膜上の単位磁束が占める面積とD粒子1個がなすファジー面の面積がちょうど(2πl_3)^2に等しくなるときだけである。(l_sは弦の長さパラメータ。) 2.IIA型超弦理論には1/4超対称性を残す配位としてバイオン解(BIon)が存在する。これはD2膜-D粒子-弦の束縛状態で、D2膜-D粒子のなす2次元平面に弦が垂直に突き刺さったような配位をしている。D粒子は無限個必要である。弦の端点はD2膜-D粒子上では電荷として理解でき、このため正確にはD2膜-D粒子は平面を成していない。しかしそれでも1/4超対称性を残す安定な配位である。私はバイオンを行列模型の解として構成した。この解は行列によって記述されているのでファジーバイオンと名づけた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yoshifumi Hyakutake: "Notes on the Construction of the D2-brane from Multiple D0-branes"Nucl.Phys.B. 675. 241-269 (2003)
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[Publications] Yoshifumi Hyakutake: "Fuzzy BIon"Phys.Rev.D. 68. 046003 (2003)
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[Publications] Yoshifumi Hyakutake: "D-brane Anti-D-brane System in String Theory"Prog.Theor.Phys.Suppl.. 148. 48-53 (2003)
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[Publications] Yoshifumi Hyakutake: "Expanded Strings in the Background of NS5-branes"Grav.Cosmol.. 9. 37-40 (2003)