2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J03711
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉居 俊輔 大阪大学, 極限科学研究センター, 特任研究員
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Keywords | 磁場誘起超伝導 / パルス強磁場 / 層状化合物 / 強相関電子系 |
Research Abstract |
本研究では「低次元物質」及び「補償効果」をキーワードにして物質探索を進めている。最終年度である本年度も引き続き、層状の2次元性の強い構造を持つ系、近藤格子系および強磁性近傍に位置する物質群において低温・超強磁場下(〜55T)での物性探索を行った。磁場中での超伝導出現そのものの発見には至っていないが、これまでに報告のない相転移や異常な振る舞いが観測されるなどこれらの系の電子状態を理解する上で重要な新たな結果が得られた。以下に主な結果を示す。 ・Shastry-Sutherland格子系RB_4(R=希土類)の強磁場物性 正方晶希土類硼化物RB_4では希土類イオンがc面内でShastry-Sutherland格子と等価な配列をもち、磁気相互作用や四極子相互作用が複雑に絡み合って磁場中で複雑な磁気相図を示す。本研究ではパルス超強磁場中での磁化測定を行い、新たな磁場誘起相の存在を探索し強磁場下での磁気相図を調べてきた。さらに磁気抵抗やド・ハースーファン・アルフェン効果の測定により、相転移による電子状態の変化についても調べてきた。 ・アルカリ土類充填スクッテルダイト化合物AFe_4Sb_<12>(A=Ca,Sr,Ba) 強磁性的に相互作用するFeの3dバンドに起因した遍歴磁性を示すこららの物質は、磁場中でメタ磁性を示すと共に、Ca→Sr→Baに従ってメタ磁性が系統的に弱まっていく。本研究では磁気抵抗測定を行い、磁場中における電子状態の変化を詳細に調べた。さらに圧力下での磁気測定を行い、メタ磁性出現の起源について考察した。 ・金属間化合物R_2Co_<14>Si_3(R=Nd,Dy,Ho) レイヤー構造を持ち高い磁気転移温度(〜室温)を持つこれらの物質では複数の相互作用に加えて希土類イオンの大きな磁気異方性が複雑に絡み合って多彩な磁気相転移を示す。強磁場下での磁化測定により磁気相互作用や異方性について詳細に調べ、磁場誘起相における磁気構造を考察した。 以上の結果については日本物理学会及び強相関電子系物理国際会議(SCES'05)で発表を行うと共に、現在論文投稿の準備中である。
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Research Products
(4 results)