2004 Fiscal Year Annual Research Report
ファイ中間子の光生成反応による核子中のストレンジネスの研究
Project/Area Number |
03J03719
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
郡 英輝 大阪大学, 核物理研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | ストレンジネス / 光生成反応 / 中間子 / 偏極標的 |
Research Abstract |
●エネルギー1.5-2.4GeVの直線偏光フォトンビームと液体重水素標的を用いて実験したデータのn(γ,K+)Σ-反応の解析を行い、preliminaryな反応断面積とフォトンビーム非対称度を求めた。Σ-粒子(質量1.197GeV)は、Λ粒子(質量1.116GeV)やΣ0粒子(質量1.193GeV)と質量が近く、また、標的中性子がFermi motionをしておりmissing massの分解能が悪いために、これまで分離してn(γ,K+)Σ-反応を測定した実験データは存在しなかった。この解析結果からは、フォトンビームを用いたK+中間子生成反応のアイソスピン依存性や、中間状態(N*かΔ*)のmissing resonanceの有無などを調べる事ができる。 ●原子核標的を用いたファイ中間子の生成実験のデータを論文に発表した。この論文では、ファイ中間子の生成量は標的の原子核に依存するので、その依存性からファイ中間子と原子核内の核子との反応断面積を測定した。測定した反応断面積は、自由空間のファイ中間子と核子の反応断面積よりも約4倍大きく、原子核内でのファイ中間子の特性が変わっている事を示唆している。 ●円偏光フォトンビームと偏極標的を用いたファイ中間子の光生成反応実験の準備のため、偏極水素重水素標的生成用の希釈冷凍機と超伝導磁石の設計を行った。超伝導磁石は、最大磁場17テスラを発生させることができ、中心の標的位置での均一度は0.05%と非常に良い仕様の超伝導磁石の設計を達成できた。
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Research Products
(1 results)