2005 Fiscal Year Annual Research Report
機能向上を狙った内部構造を持つシングルナノ粒子の放射線場での合成
Project/Area Number |
03J03751
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
清野 智史 大阪大学, 工学研究科, 講師
|
Keywords | 放射線 / 複合ナノ粒子 / 貴金属 / セラミックス / 磁性 / 磁気分離 / 触媒 / ナノバイオ |
Research Abstract |
微小な貴金属ナノ粒子が担体ナノ粒子上に担持した複合ナノ粒子の、放射線を利用した合成技術の開発を行った。放射線照射により水溶液中に生成する活性種により貴金属イオンが還元され、ナノ粒子として酸化物表面に担持する。各出発原料の濃度により、貴金属ナノ粒子の粒子径や担持量を制御できる。 バイオ分野における新規な磁気ビーズ応用を狙って、磁性酸化鉄ナノ粒子表面に金ナノ粒子が担持した金/酸化鉄磁性複合ナノ粒子を合成した。得られた複合粒子は、約5-6nmの金粒子が数十nmの酸化鉄粒子表面に分散して担持した構造を有しており、外部磁場により分離・回収・誘導等の操作が可能である。合成後の粒子分散液に磁気分離操作と水による再分散処理を繰り返すことで、粒子表面に残存したポリマーが除去され、水中での分散性が向上することを見出した。S-Au結合を利用して粒子表面にプローブDNAを固定化でき、またプローブDNAを介して相補配列を持つターゲットDNAを分離できることを確認した。分離できるターゲットDNAの量は、金粒径が小さくなるほど多くなることを確認した。市販の代表的な磁気ビーズと比較してより効率的に分離できる。 光触媒材料としての応用を狙い、チタニアナノ粒子表面に白金、パラジウムを担持した。得られた複合ナノ粒子は、無担持のチタニア粒子の場合と比較して光触媒活性が高いことを確認した。 放射線を利用して合成した複合ナノ粒子が、様々な分野で優れた機能を示すことを確認した。
|