2005 Fiscal Year Annual Research Report
染色体DNA複製の進行阻害の回復における出芽酵母MGS1遺伝子の解析
Project/Area Number |
03J03773
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
奥村 知子 (大屋 知子) 大阪大学, 微生物病研究所, 特別研究員(PD)
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Keywords | Mgs1 / DNA複製 / 相同組換え / Rad51 / Rad52 / ゲノム安定化 |
Research Abstract |
正確で効率良いDNA複製は遺伝的安定性の維持に必須だが、さまざまな外的及び内的要因によって複製フォークの進行阻害が頻繁に起こっており、ゲノム不安定かの原因となっている。従って複製フォーク進行阻害の回復メカニズムは、すべての生物において重要な問題である。 出芽酵母Mgs1蛋白質は大腸菌からヒトまで高度に保存されており、mgs1変異が繰り返し配列間の組換え頻度の上昇を引き起こし、複製後修復に関与する遺伝子の変異と合成致死性を示すことが判っている。これらの結果は、Mgs1蛋白質がDNA複製時におけるゲノム安定化維持と、複製フォーク進行阻害を回避するメカニズムに関与することを示唆している。mgs1変異は相同組換えに欠損のあるrad51変異株のMMSに対する高感受性を部分的に抑制する。このことからMgs1蛋白質は複製フォーク進行阻害の回復におけるRad51蛋白質依存の組換え経路の活性化に重要な役割を果たしていることが示唆される。また、Rad51蛋白質同様に相同組換えに関与するRAD52遺伝子のRad51蛋白質と相互作用するC末領域を欠損した変異もrad51株のMMSに対する感受性を抑制することが明らかになった。さらに、HU存在下でrad51変異株におけるRad52-GFPのfociの割合は野生株と比較して上昇するが、mgs1変異を導入するとfociの割合は減少することがわかった。以上より細胞内の複製フォークの進行阻害が生じた際に、Mgs1蛋白質とRad52蛋白質のC末領域との何らかの相互作用によって相同組換え経路が活性化され、DNA複製進行の再開を果たしていると考えられる。
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