2004 Fiscal Year Annual Research Report
スギの水分通導組織の機能とコストとの関係:水分環境と個体サイズの影響
Project/Area Number |
03J03801
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
鈴木 新 大阪大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 成長 / 繁殖 / 最大樹高 / 水分制約 / 水分通導 / 維持コスト / 構成コスト |
Research Abstract |
本研究は、水分通導組織の機能を評価するとともに、そのコストを定量し、樹木の成長・繁殖に対して水供給にかかわるコストが、どの程度制約となっているかを明らかにすることを目的としている。今年度は、水分環境と個体サイズを考慮して調査ブロットを設定し、実際にデータを収集した。水分通導機能の指標のひとつである木部の水分通導度の測定については、調査ブロットに隣接する場所に生育する個体を対象にして、予備的データを得ることができた。木部の水分通導度の測定に関しては京都府立大学の池田武文先生のご協力をいただいた。葉に水を供給するためのコストについても、構成コストについてはカロリメトリーから構成コストを測定した。カロリメトリーによる測定においては大阪大学熱力学研究センターの長野八久先生の協力を得た。一方、維持呼吸は幹呼吸の測定から推定されるが、木部の二酸化炭素濃度を考慮した測定システムを構築するために、昨年度の測定システムの改善に取り組んだ、システムの改善に手間取ったため、実際の測定は来年度に持ち越されることになった。また、昨年度に引き続き、樹冠のさまざまな位置の葉について、水分生理特性を定量した。プレッシャー・チャンバー法により葉のP・V曲線を作成した結果、低次の枝ほどしおれに強い葉を付けていることが分かった。また日中の水ポテンシャルを測定した結果、高次の枝では日中はやめに気孔を閉じてしまうことが示唆される結果を得た。これらは個体の主軸部分に優先的に水が配分される仕組みの一つであると考えられる。
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Research Products
(1 results)