2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
03J03822
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
日比野 佳代 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 細胞内情報伝達反応 / 低分子量Gタンパク質 / 上皮成長因子 / cRaf1 / 対物型全反射蛍光顕微鏡 |
Research Abstract |
低分子量Gタンパク質Rasとその標的タンパク質Raf1の相互作用は、細胞増殖、分化において重要な情報伝達反応の一つである。 私は、上皮成長因子(EGF)添加後、Raf1の結合が細胞膜全体で上昇し、Raf1が特に濃縮してくる部位(濃縮部;Raf1結合密度は他のBulk膜の2.5倍)が局所的に現れることと、Bulk膜、濃縮部どちらにおいても細胞質-細胞膜間のRaf1分子の恒常的な交換が観察され、Raf1分子の細胞膜滞在時間はBulk膜では0.41秒、濃縮部では0.37秒(63%)と1.6秒(37%)であることを明らかにした。これらは、Raf1の膜結合部位、或いは膜への結合状態が少なくとも2種類存在し、長く結合する部位(状態)は濃縮部にのみ存在することを示している。そして、Raf1が細胞膜に滞在する機構が複数存在し、その機構が細胞膜の場所により使い分けられていることを示唆している。 そこで今回、Raf1の膜の結合サイトであるRas 1分子がRaf1といつどこでどの様に相互作用をするのか?を明らかにするため、分子間相互作用を可視化するための光学系と、分子間相互作用を定量するための画像処理と画像解析法の開発を行った。始めに、ダブルビュー光学系を改良して、YFP-RasとGFP-Raf1を発現したHeLa細胞でEGFに応答したRas/Raf1分子間相互作用を可視化するための同時観察系を開発した。このダブルビュー光学系を組み込んだ全反射蛍光顕微鏡下で、RasとRaf1の分子間相互作用を1分子レベルで検出した。次に、RasとRaf1の相互作用の解析には大量の画像演算が必要なため、画像処理ソフトを導入し、相互作用の検出と解析を可能とした。
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Research Products
(1 results)