2004 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンDの生体内活性化におけるメガリン機能の解析
Project/Area Number |
03J03833
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山形 雅代 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | メガリン / receptor associated protein / ビタミンD / リン / Na-Pi cotransporter |
Research Abstract |
Megalinは腎近位尿細管刷子縁に発現するendocytic receptorであり、糸球体で濾過された低分子量蛋白質や化合物を細胞内へ取り込む。本研究では、megalinのリガンドの一つであるreceptor associated protein (RAP)のリコンビナント蛋白をマウスに投与する事により、megalin機能について検討を行った。マウス腹腔内に可溶型RAPのヒスチジンタグ融合蛋白(His-RAP)を単回投与したところ、投与一時間後に近位尿細管上皮細胞でHis-RAPの取り込みが確認され、さらに抗megalin抗体を用いた免疫組織化学では、細胞内にdot状の染色を認めた。また、同じく腎近位尿細管刷子縁に発現しているNa-Pico-transporter (NPT)の挙動をみたところ、RAP投与後2時間では細胞質内に染色を認めた。連続投与後の尿では、低分子量蛋白尿が認められ、ビタミンD結合蛋白質(DBP)、β2-microglobulinの漏出の増加が認められた。また、尿中Pi排泄が有意に増加しており、また血清25OHD値は有意に低下していた。しかし、血清PTH値は、RAP投与前後で有意な違いを認めなかった。これらのことから、RAP投与によるmegalin機能の一時的な撹乱は、megalinのligandであるDBPの再吸収を障害させ、さらに間接的にNPTのendocytosisを亢進させることにより、尿中Pi排泄を増加させたと考えられた。 また、可溶型RAPのN末にIg-κ-chain secretion signalを付加させ、分泌型RAPを発現させる遺伝子を組み込んだtransgenic mouseを作製した。現在、ELISAを構築して発現した分泌型RAPの循環血液中の蛋白量を測定中である。
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Research Products
(1 results)