2005 Fiscal Year Annual Research Report
ビタミンDの生体内活性化におけるメガリン機能の解析
Project/Area Number |
03J03833
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山形 雅代 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | メガリン / receptor asscciated protein / ビタミンD / リン / ナトリウム-リン酸共輸送担体 / transgenic mice / 副甲状腺ホルモン(PTH) |
Research Abstract |
主に腎臓の近位尿細管細胞刷子縁に発現しているエンドサイトーシス受容体であるメガリンは、糸球体で濾過された様々な低分子量蛋白質を細胞内に取り込む。そこで我々は、メガリンの機能を撹乱するためにメガリンとそのリガンドとの結合を競合阻害するreceptor associated protein(RAP)をリコンビナント蛋白質として大腸菌のシステムにより発現、精製した。このリコンビナント蛋白質をマウスに投与したところ、血中25位水酸化ビタミンD(25OHD)値の低下が認められた。さらに、腎尿細管におけるナトリウム-リン酸共輸送担体の発現低下に伴い尿中リン値の上昇が認められた。そこで我々はRAPを高発現するtransgenic miceを作出した。N末端の分泌シグナルとC末端の小胞体保持シグナルを除き、新たにN末端にlgK chainの分泌シグナルを付加した分泌型RAPを発現するtransgeneを組み込んだマウスを作出した。マウスの末梢血中に存在する分泌型RAPをELISA法にて測定し、吸光度値が正常マウスより1.3倍以上高値のtransgenic個体を解析対象とした。10週令の野生型と変異型マウスを比べると、体重、血中25OHD値、血中Ca値,血中Pi値に有意な差異は認められなかった。しかし16週令のマウスでは、血中副甲状腺ホルモン(PTH)値において、野生型に比べ、変異型マウスの方が高値であった。メガリンはPTHも細胞内に取り込むことが報告されており、変異型マウスにおいて、尿中へPTHが漏出した結果、フィードバック機構によって血中PTHが高くなったと推察される。このメカニズムについて更なる検討が必要と思われる。
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Research Products
(2 results)