2003 Fiscal Year Annual Research Report
デンタルインプラントにおけるオッセオインテグレーションの分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
03J03839
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
波多 賢二 大阪大学, 大学院・歯学研究科・顎口腔機能再建学教室, 特別研究員(PD)
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Keywords | デンタルインプラント / オッセオインテグレーション |
Research Abstract |
デンタルインプラントのオッセオインテグレーションの分子メカニズムを解明するために実験を行い以下の結果を得た。 (1)チタンと骨芽細胞の相互関係を解析するシステムの確立 オッセオインテグレーションの分子メカニズムを解明するために、まず口腔内においてチタンと骨芽細胞の骨性結合によって獲得される、オッセオインテグレーションをIn Vitro実験系において再現する解析方法の開発を試みた。その結果、チタンプレート上においては、未分化間葉系細胞C3H10T1/2細胞あるいはマウス新生児頭蓋骨由辛初代骨芽細胞が正常に培養可能であること、さらに石灰化することが明らかとなった。そして、オッセオインテグレーションの評価方法として、アルカリフォスファターゼ活性、オステオカルシン遺伝子のレポーターアッセイおよびアリザリンレッド染色による石灰化を指標とすることにより、定量的にならびに再現性をもって評価可能であることが明らかとなった。 (2)オッセオインテグレーション過程に対する骨形成誘導たん白質BMP2の効果 上記実験方法を用いて、チタンプレート上での石灰化過程に対する骨形成誘導たん白質BMP2の関与を検討した。その結果、BMP2はチタン上での骨芽細胞分化ならびに石灰化を促進することが明らかとなった。 BMP2がその生物学的機能を発揮するためには、Cbfa1遺伝子および細胞内シグナル伝達因子Smadが重要な役割を演じている。次年度からは、この実験方法を用いて、Cbfa1遺伝子およびSmadの機能に着目し、オッセオインチグレーションの分子メカニズムの解明を行う。
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