2004 Fiscal Year Annual Research Report
ロケットエンジン用ターボポンプインデューサに生じるキャビテーション不安定の研究
Project/Area Number |
03J03951
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤井 明 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | インデューサ / ターボポンプ / キャビテーション / 旋回流 |
Research Abstract |
本研究の目的は,ロケットエンジン用のターボポンプインデューサに生じるキャビテーション不安定を抑制することである.昨年度の研究では,インデューサ入口からジェットを吹き込むことで流れを強制的に変化させる実験を行い,キャビテーション不安定の発生範囲を縮小させることができた.本年度は,この装置を改良することでさらに広範囲な条件で実験ができるようにした.その結果,ジェットを軸回転と同方向に総流量の約10%吹き込むことでキャビテーション不安定が効果的に抑制できることが分かった.さらにジェットを吹き込んだ場合の流れ場を調べた結果,ジェットによって生じる予旋回によって翼の入射角が減少してキャビティ長さが短くなり,これによってキャビテーション不安定が発生しにくくなったことが分かった. また,インデューサ入口ケーシングにJグルーブと呼ばれる浅い軸方向溝を設けることで,キャビテーション不安定を抑制する実験も行った.その結果,キャビテーション不安定の発生範囲を大きく減少させることができた.流れ場を調べた結果,この溝を設けた場合にはインデューサ翼端に生じるキャビティの形態が大きく変化し,入口圧力が低下してキャビティが伸張してもスロートを閉塞しにくくなっていた.この効果によって,キャビテーション不安定の発生範囲が大きく減少したことが分かった. これまでに報告されている単独翼の実験より,単独翼に生じるキャビティが自励振動することが明らかとなっている.インデューサのキャビテーション不安定現象についてさらなる理解を深めるためには,この自励振動についても詳細に調べる必要がある.そのための基礎的な研究として,形状の異なる7種類の単独翼を製作して実験を行った結果,翼の形状によってキャビティの変動の様子は異なるものの,その変動周波数や発生範囲には大きな違いが生じないことが分かった.
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Research Products
(2 results)