2003 Fiscal Year Annual Research Report
ロケットエンジン用ターボポンプインデューサに生じるキャビテーション不安定の研究
Project/Area Number |
03J03951
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤井 明 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ターボポンプ / インデューサ / 不安定現象 / キャビテーション / ロケットエンジン / 翼応力変動 |
Research Abstract |
本研究では,インデューサに生じる旋回キャビテーションやキャビテーションサージなどのキャビテーション不安定の特性解明および,その抑制法の考案を目的としている.本年度は既存の実験装置を改良し,インデューサ上流にジェットを吹き込むなどして,入口流れ場を強制的に変化させることで旋回キャビテーションを抑制することを目的とした実験を行った.その結果,流量によっては旋回キャビテーションの発生範囲を縮小させることができた.今後様々なパラメータで実験を行い,その結果をもとに装置に改良を加える予定である.また,これらの実験を効率的に,精度良く行うために,実験装置の配管等を大幅に改造した.さらに,これらのキャビテーション不安定のさらなる特性解明や抑制法の考案の為に,理論解析を実施中である.また,これまでに報告されている単独翼の実験より,キャビティが自励振動する際には後方にクラウドキャビティを放出することが明らかとなっている.旋回キャビテーションが発生した場合には,翼に生じているキャビティが大きく変動しているため,この場合にもクラウドキャビティが放出されていると考えられる.これにより,キャビティ後流の流れ場などが大きく変化し,キャビテーション不安定の発生に影響していると考えられる.そのため,旋回キャビテーションの特性をさらに解明し,完全に抑制するためには,このクラウドキャビティ放出の特性をこれまで以上に明らにすることが必要である.そのため,形状が異なる数種類の単独翼を設計・製作し実験を行う予定である.これにより,特に翼前縁付近の形状の違いによるキャビティ変動の相違を明らかにし,インデューサに生じる不安定現象の特性をさらに解明することができると考えられる.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 藤井 明: "インデューサの翼端形状が非定常キャビテーションおよび逆流に与える影響"日本機械学会論文集B編. 70巻690号. 399-406 (2004)
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[Publications] 藤井 明: "3枚羽根インデューサに生じる非対称キャビテーションの非定常挙動"日本機械学会論文集B編. 69巻682号. 1394-1400 (2003)
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[Publications] 藤井 明: "インデューサに発生するRotating Chokeに関する解析"日本機械学会論文集B編. 69巻680号. 764-771 (2003)
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[Publications] Yury A.SEMENOV: "Rotating Choke in Cavitating Turbopump Inducer"Transactions of the ASME, Journal of Fluids Engineering. Vol.126,No.1. 87-93 (2004)